16世紀まで、北中部はインカ帝国の支配下にあった。1540年ごろからスペイン人の侵略がはじまり、1557年、サンチアゴに総督府が置かれた。19世紀ごろからクリオージョ(南米生まれのスペイン人)たちを中心に独立への機運が高まり、1810年に自治政府が樹立。スペイン軍との戦いをへて、1818年、正式に独立宣言が出される。1879年からはボリビア、ペルーとの間に「太平洋戦争」が勃発、これに勝利して新しく領土を広げた。
1930年代から保守勢力と左翼勢力の対立が続き、70年、アジェンデ政権が成立。世界初の民選社会主義政権だったが、これに反発したピノチェト将軍率いる軍部が1973年にクーデターを強行。1989年の大統領選挙までの長い軍政下、政府によって処刑されたり、行方不明となった人は数多い。1998年、スペインの要請によりイギリスで逮捕されたピノチェトは、翌年「健康上の理由」でチリへ帰国。その処遇をめぐっては、今も論議が続いている。 |