9月18日  ▼「子供の家」
/小山道夫(「ベトナム『子供の家』を支える会」ベトナム事務局長)
小学校の教諭を務めていた当時、たまたま訪れたベトナムでストリートチルドレンの存在に大きな衝撃を受け、それをきっかけに退職。単身ベトナムへと渡り、貧しさや虐待から逃れるために親と離れて暮らすストリートチ ルドレンの救援施設「子どもの家」を設立した小山道夫さん。現在では、約100名の18歳以下の子どもたちが、学校にも通いながら「子どもの家」で生活しているという。8年にわたる活動の様子を、子どもたちの作文など を交えてお話ししていただきました。
「私ははじめ、海外支援とは物をつくること自体が目的だと思っていました。そして『子どもの家』を一生懸命つくったのです。しかし、現在は物をつくるということは『手段』であると考えています。それを通し、人間をしっかり育てるということが海外支援の、そして私たちの役割ではないかと思うようになりました。
私たちのような団体は、本来ない方がいいのです。が、ない方がいいのであれば、やらなければ良いのかというと、そうではありません。我々がいることで助かる子どもたちが、悲しいかな、いるのが現実です。
『小山の活動は間違っている、ベトナム政府に子どもを助けるよう働きかけろ』という人たちがいます。けれども、そうすることで路上の子どもたちが救われるわけではありません。目の前で困っている子どもを誰かが助けなくてはならないのです。子どもたちを自立した人間として育て、社会へ出す。これが私の目指しているところです。」
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