10月29日  ▼ISファイナル
イスラエル・パレスチナ、旧ユーゴという「紛争地」からクルーズに参加、これまでの1ヵ月半の航海を通じて、平和や紛争解決、そして訪れた寄港地や日本の文化についても学んできたIS(国際奨学生)たち。下船を前にしたラスト企画「IS Final Presentation」では、踊りや劇も交えつつ、これまで行われてきたプログラムについて報告。本クルーズの「国際奨学生プログラム」のフィナーレを飾った。ここでは、ISたちからのメッセージの一部を紹介。
ベルタン・スリム(マケドニア出身)
「平和があることが日常的ではない紛争地域から来た僕たちは、この航海を通じて日本の文化が大好きになりました。このプログラムに参加することで、人や自分に対して我慢強くなること、また他人の意見を最後まで聞くことを学びました。この経験を通し、自分の国に帰ったら周りにも良い影響を与えてゆこうと思います。」
ディアン・スタンコビッチ(セルビア出身)
「デッキで話をしていたとき、ふと新しい友人らが色々な国からやって来ていることに気が付きました。ほんの2〜3年前まで、国連の制裁処置によって、外国人の入国は極端に少なく、私が様々な国の人を見ることができたのはテレビのみだったのです。他文化を学ぶことが自国の文化を学ぶのと同じくらい重要なことだと知っていましたから、異文化交流できたことはこのプログラムへ参加することで得た最も重要なことでした。」
マーティン・ペトコフスキ(マケドニア出身)
「『紛争に“勝つ側”と“負ける側”はない』『互いの要求を理解する』『他者の考えを変えるのではなく、違いを認識、尊重することで共生をはかる』『理解と信頼を確立し、互いの要求を満たす』――この航海で、こういった定義に基づいた『平和的紛争解決』を学ぶことができました。」
レイラ・バイラモヴィッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ出身)
「ここで得た知識は将来、私のNGO活動の中で役立つだろうと思うものばかりでした。このクルーズに参加した当初は、セルビア出身のディアンに対し、『敵対する国から来ている人』といった感情的な壁が僅かながらありました。でも、今はそうではありません。私の学んだ紛争解決の方法というのは、国際的に適用されるだけでなく、私の中の紛争をも解決するものだったのです。」
リナ・R・ザラティモ(パレスチナ出身)
「一緒にいて居心地が良く、優しい日本人のみなさんと過ごすのは今までにない素晴らしい経験で、たくさんの友人を作ることができました。イスラエル占領下においての私たちの苦しみを伝えたいと思い乗船してきましたので、講座を行うことで多くの人がパレスチナについて質問に来てくれたことは大きな喜びでした。」
オフィール・フュールスタイン(イスラエル出身)
「乗船するにあたり、イスラエルで日常的に行っていた政治活動から離れることになるのを懸念していました。しかし実際には、ディスカッションのみでなく、9月11日の悲しい出来事がきっかけとなりましたが、ナイロビやギリシャ、クロアチア、そしてバルセロナでテロ攻撃に対する報復攻撃反対の意志を伝える具体的な活動を行うことができました。私たちが下船した後もこうした活動が続くことを願っています。」
10月29日のインデックスへ35回クルーズレポートインデックスへ