11月25日 ▼NGOの役割〜どんな平和活動をすべきか〜
/ヨハン・ガルトゥング(TRANSCEND代表)、西村文子(国際政治学者)▼
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平和学者・ヨハン・ガルトゥングさんによる3回目の講座。平和的な紛争解決のため
に、日本のNGO、そして市民はどんな役割を果たせるのか、また果たすべきなのかお話ししていただきました。 |
「今日の日本は、アメリカ社会からボランティアリズムや活発な市民活動と市民社会を学び、平和活動に関するエネルギーが盛り上がっていると私は感じます。平和活動で日本が貢献をしている、あるいは出来る可能性がある10の役割をここでは採り上げたいと思います。
1つは、個人の心の葛藤から民族・国家間の紛争まで含めた広い意味の『コンフリクト(争い)』に直面している人たちの対話のパートナーになること。日本人には自分の意見を相手に押しつけず、相手の言い分を聞く資質があると思います。
2つめは、対話のセッティングをする。物静かにテキパキと仕事をする日本人に向いています。
3つ、コンフリクト後の再建のために力を貸す。4つ、コンフリクト後、当事者同士が和解し、新しい関係に入れるようにお手伝いをする。これには辛抱強さが必要です。
5つ、企業一家的な発想が強い日本企業による平和と発展のための経済活動。
6つ、経験を活かし、文化侵略を阻止するお手伝い。7つ、平和博物館、反核運動、反軍国主義などの活動を平和的に行ってきた経験を活かした平和教育。
8つ、軍関係以外の平和維持活動への協力。9つ、コンフリクトの転換。場を提供し、対話を促進させる。そして10番目は、1〜9までを他の国々や地域へ伝えるという役割です。
このような役割を果たせる日本人が1万人、10万人という単位で世界中へ出向き、コンフリクトで苦しむ多くの人々の手助けになる活動ができたなら、それは大変素晴らしいことだと思います。」
(泉)
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