11月24日 ▼米国帝国主義と第2次冷戦
/ヨハン・ガルトゥング(TRANSCEND代表)、西村文子(国際政治学者)▼
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平和学者で平和活動家のヨハン・ガルトゥングさんによる2回目の講座。過去から現在
までのアメリカ帝国主義による支配とそれに対応する各国の動き、そしてこれからの世界を管理するシステムについて、お話ししていただきました。 |
「1990年の冷戦終了後、多くの国では軍事縮小を始めましたが、アメリカは違いました。NATO加盟国を東に増やし、日米安保理の守備範囲を西へ広げ、ユーラシア大陸の支配を始めたのです。その脅威を強く受けたのはインド、ロシア、中国です。3国は協力関係を結び、軍事予算を増強する戦略をとりました。軍備増強競争、新しい同盟の形成、そして緊張の増加。この3つの理由から、私はこれを新冷戦、第2次冷戦と呼びます。
一見アメリカは世界を支配しかかっているように見えますが、私はアメリカ大帝国は今後20年のうちに崩壊すると考えています。
帝国主義という止まるところを知らない支配欲に動かされるアメリカは、内部に矛盾を抱え自己崩壊を起こすでしょう。アメリカ帝国の崩壊後、世界はどうなるのでしょう。私が理想とするのは、国連による世界の管理です。国連がアメリカの後継者になるために必要なことは3つあります。1つ目は、国連安保理常任理事国の
拒否権を廃絶すること。2つめは、アメリカにある本部を移転すること。そして3つ目は、人口100万に対し1人を選出する方法で選ばれた市民による『国連市民総会』を設立することです。」
(泉)
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▼ちょっと待った!その食べ物何だか知ってる?
/ホセアレクサンダー・ナヴァス(スペイン語講師)▼
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私たちが毎日口にしている肉や野菜そしていろいろな加工食品。これらは果たして安全な食品のか。最近話題の遺伝子組換え食品の危険性等について、農業専門家で船内ではスペイン語教師を務めるホセ・アレクサンダー・ナヴァスさんに語っていただきました。 |
「早く成長するようにと牛や豚に与えられた成長ホルモンは、牛乳や肉にも残っています。また、除草剤に強くなるという遺伝子を組み込んだ大豆は、酸に強いため、私たち人間にとっては消化しにくいという一面を持っています。
このような、簡単に生産するために採られている不自然な方法は、健康に悪影響を及ぼすと言われているにも関わらず、大規模な食品会社は利益を優先するあまり、そのことを考えてはいません。一方で、自然の力を活かした有機農法のように、安全な食品を作る努力も各地で行われています。
私たち消費者にとって、食品の安全性を見抜く力を身につけることは非常に大切です。科学肥料を使用してはいけないと定めた法律を作るなどの行政的な措置をとることも必要です。」
(村松)
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