11月11日 ▼洪水の被害を経て〜ベンポスタの今を語る〜
/ファン・カルロス(ベンポスタ共和国ベネズエラ主宰者)▼
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ベネズエラのバルガス州ラグアイラにある、子どもたちの自治による共同体「ベンポスタ共和国」で支部責任者を務めるファン・カルロスさんが、ビデオ映像も交え、1999年にベネズエラ全土をおそった洪水の傷跡、そして現在の「ベンポスタ共和国」の様子について語ってくれました。また、ベンポスタのユニークな活動の1つ、その理念を世界中に伝えていくことを目指して子どもたちが取り組んでいるサーカスについても、ボールや棍棒を使ったジャグリングを披露して紹介。場内には大きな拍手と歓声が起こりました。 |
「ベンポスタ共和国のシンボルマークについて紹介します。緑の部分は希望を表し、現実社会に失望しがちな状況が多い今日ですが、常に希望を持って生きていこうという姿勢を象徴しています。オレンジの部分では、働くことで人間性は生み出されるという姿勢を示しています。そして中央の白い部分は、ピエロの微笑のように見えると思いますが、これは規律に縛られることなく、喜び楽しんで学ぶことで、一人一人が興味や夢を生み出していくことが良い教育であるという考え方を表しています。共同体として生活しながら、社会性や家族としてのあり方を身につけ、芸術や宗教や政治を学んで自立していく、これがベンポスタの目指すところです。 1999年の大洪水によって以前の施設が使えなくなったため、現在ベンポスタは海岸地帯に点在するいくつかの場所に分かれて活動を続けている状態です。崩壊した道路と建物を再建し、1日も早くベンポスタの機能を取り戻すことが目下の私達の目標ですが、そのためには経済的サポートも必要となってくるでしょう。」(小岩)
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▼もっと知りたいガラパゴス〜現在と未来〜/小林隆平(ギタリスト) |
エクアドルから1000km離れた大海原に浮かぶ、16の島々から成るガラパゴス諸島は、ゾウガメや海イグアナといった島固有の生物だけではなく、海洋生物の宝庫としても有名。しかしここ数年、観光で経済が潤うガラパゴスに仕事を求めて集まる人々が急増するとともに、鮫やナマコといった高価な値の付く生き物の密漁が相次いでいるという。「ガラパゴスの環境保護」と「住民の生活」。この一見相反するように見える二つの課題を両立するにはどうすればいいのか。エクアドル在住で、ガラパゴス諸島にも詳しい、ギタリストの小林隆平さんのお話から考えた。 |
「観光は『煙の出ない煙突産業』といい、環境を破壊せずに高収入を得られる産業だと言われています。そしてガラパゴスは、入島料が100ドルもするにもかかわらず、世界中から年間7万人もの人が訪れるという場所です。『環境』と『収入』を両立させるためのキーはここにあります。『環境』を保護していくことで、『観光』という収入を得ることができる、ということですね。
ガラパゴスには、地元住民、特に漁民や子どもたちにガラパゴスの生態系の重要性を教えることで、自然保護への意識を高揚させることを目的として様々な活動を行っているNGOもあります。生態系を破壊する海洋生物の乱獲に代わる持続的な収入を得る手段として、Tシャツやお土産品等を作る技術など
を教えるという取り組みも行われています。
皆さんがガラパゴスを訪れたときにも、サンゴなどを売る人に出会うかもしれませんが絶対に買わないで下さい。この島の生態系を守るには、地元の人たち一人一人の自然環境保護の意識高揚も重要ですが、観光客一人一人にも、その責任ある行動が求められるのです。生物の進化の謎を解くためにも、ガラパゴスはかけがえのない島なのですから。」
(石橋)
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