11月1日  ▼永武ひかる写真プログラム/永武ひかる(フォトグラファー)
南米を中心に活動を行う写真家の永武ひかるさんが手掛ける『ワンダーアイズ(WONDER EYES HIKARU Photo Program)』は、子供達が楽しみながら自らと世界を見つめ、自己の表現や創造的な活動の機会を作る活動を非営利で行うプログラム。プログラムや実施した国の様子について、永武さん撮影による写真をバックにお話ししていただきました。
「ワンダーアイズはこれまでに、東ティモール、ウズベキスタン、オーストラリアで3回実施しましたが、地域により子供達の撮る写真はまるで違ってくるんですね。初めてこのプログラムを実施したときは、準備万端とはいかず苦労も多かったのですが、現像されてきた写真を見たときは心が躍りましたね。
写真を撮ったことのない子供がほとんどの東ティモールでは、みずみずしい『写真の原点』のようなものが多く、ウズベキスタンでは、きれいにおさまってはいましたが子供の視点から見た『ウズベキスタンの今』を感じることが出来ました。」
(吉澤)
カフェコンレイチ〜音楽で見るブラジル〜
/永武ひかる(フォトグラファー)、澤田直也(ミュージシャン)
福与孝良(日本ブラジルネットワークスタッフ)
ブラジル音楽といえばサンバだけだと思っていませんか?広大な土地に様々な人種が暮らし、その文化も地域 によって全く異なるブラジル。
その音楽も、「カフェコンレイチ」(ポルトガル語でカフェオレ)のように、いくつもの文化がまじりあって生まれた、多種多様な魅力を持っているのです。
今回の講座では、ブラジルに深い 縁を持つ 3名の水先案内人に、それぞれ違う観点からお気に入りのブラジル音楽を紹介していただきました。
永武ひかる(写真左・サンバとブラジル先住民の音楽を紹介):「特に気に入っているのがミルトン・ナッシュメントの“ペスタメント”。
この曲の、先住民族とアフロの感じが交じった音も、土地とのつながりが歌わ れている歌詞も、私は非常に好きです。」
澤田直也(写真中央・持参した太鼓や民族楽器を演奏):
「僕が音楽活動をしているサルバドルには太鼓のチームがたくさんあります。
それというのも、サルバドルはブラジルでも黒人が多く貧しい地域で、楽器などを何ももたない人達がやり場のないエネルギーをぶつけたり、それによって楽しんだりするには、身の回りにあるカンなどを叩くしかなかったためなのです。」
福与孝良(写真右・MPB、ブラジルポピュラーミュージックを紹介):
「ブラジル音楽の大きな魅力は、それぞれの違いをお互いに尊重して取り入れていること。
近年のブラジル音楽の流れとしては、ロックやヒップホップなどの現代音楽と、黒人や先住民族の民族音楽が融合した非常におもしろいものが作られ、日本やアメリカでも高い評価を受けています。」
移民船南米へ行く/金丸知好(自由文筆業)
「旅をしているという実感がもてるのが船。飛行機で飛んでしまってはありがたみがない。」と語るのは、船旅の専門誌「クルーズ」などでも活躍し、実際に船で世界各国を訪れた経験をもつ、自由文筆業者の金丸知好さん。
今回の講座は「移民船」について。その始まりから移り変わり、そして最後の移民船出港のお話など盛りだくさんの講座となりました。
「初期の日本からの移民はハワイやグアムに渡航していましたが、ハワイ王国の消滅により目的地は南米へと移り変わります。
特にブラジルへの移住が多く、仕事は広大なコーヒー農場での労働が主でした。
船は移民をブラジルに降ろした後、空いた部屋にコーヒを積み、それをニューオーリンズで降ろし、続いて綿花、銑鉄を積み込み日本に輸送していました。なんと“移民”は世界経済の一コマとなっていたのです。」
(澤田)
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