ピースアピール〜海の38度線を越えて〜
今まさに私たちは海の38度線にいます。
この38度線によって朝鮮半島に暮らす人々が、家族が、
実に、半世紀以上も引き裂かれてきました。
それは、紛れもなく人類にとっての20世紀最大の悲劇のひとつであるとともに、
今や、21世紀最大の悲劇でもあります。
私たちは3日前、分断の地、板門店を訪れ、その悲劇を目の当たりにしました。
そこには兵士が向き合う、越えられない、陸の38度線がありました。

私たちは、今、海の38度線を越えます。
そして、この海からすべての政府、国連、そして地球市民に、
一日も早い朝鮮半島の平和的統一への支援を訴えます。

政治は国境を越えられません。しかし、人の心は国境を越えます。
政治は人間を引き裂きます。しかし人と人の出会いは政治を越えます。
そのことを私たちは、北朝鮮の人々とのふれあいで実感しました。
この海の38度線を越え、北朝鮮で出会ったひとびとの想いを南へと運びます。
そして、私たちひとりひとりが韓国のひとびととつながりたいと思います。
なぜなら、政治状況に左右されない地球市民のつながりと信頼こそが、
平和を創っていくと信じるからです。

2001年9月3日
ピースボート「南北コリアクルーズ」洋上にて
9月3日のインデックスへ34回クルーズレポートインデックスへ