9月1日  ▼歴史教科書問題を考える
人民大学習堂で開かれたテーマ別交流会。各テーマの専門家や当事者を招いて、講義や質疑応答を行った。それぞれの問題について、今、朝鮮の人たちがどう考えているのか、生の意見を聞くことができた。
朝鮮から社会科学院・歴史研究所研究員のコゥミョンソンさんを招いて行われた、「歴史教科書問題を考える」の講義。コゥさんは「『新しい歴史教科書をつくる会』の教科書には、朝鮮の歴史を歪曲している部分が40ヵ所もある」と指摘。「日本の右翼的な歴史家達は、日本の朝鮮支配を合理化するために歴史を歪曲、捏造している」と主張した。さらに靖国神社の公式参拝問題についても、「日本の首相による公式参拝は明らかに軍国主義復活を表す」と述べた。
質疑応答の時間に入ると、水先案内人のアウ・パククンさんが、「共通の歴史認識を持つためにもアジア共通の教科書を作るべきなのでは。専門家の検証を踏まえて、政府が作成したらどうか」と提案。同じく水先案内人のニコラ・リスクティンさんも「共同研究会が作ってはどうかと、これに対する意見を求めた。いっぽう、コゥさんは「『アジアの中の日本』になるためには、まず日本が先に正しい教科書を作るべき」だという。
会場から出た意見も、「少数意見も尊重されるべきであるから、『つくる会』教科書も必要なのではないか」、「ほかの国々と仲良くしたかったら『つくる会教科書』 は絶対になくすべき」などさまざま。最後にコゥさんは「このような教科書をつくることは、日本にとって罪を積み重ねることになります。日本政府はそれを肝に銘じて、過去の罪悪を謝罪し、徹底的に補償してほしい。繰り返しますが、『つくる会』の教科書は撤廃すべきです」と強調した。
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