3月17日  ▼先住民族の今/武田ひかる(写真家)
写真の撮影をきっかけに、南米の先住民族との交流を持つようになった永武ひかるさん。シリーズ3回目の本日は、ブラジル、ペルーのアマゾンに住む先住民族たちの文化、そして現在の彼らが抱える問題について、スライドとビデオをまじえて語っていただきました。
「500年前の南米には、200を越える民族、700万人以上が住んでいたと推測されています。その祖先は、ベーリング海峡を渡ってきたモンゴロイドだともいわれ、顔つきが日本人によく似ている人もいます。ほとんどの先住民族は、今、貨幣経済の社会に組み込まれ、また、経済開発が優先されている事情から、言葉や教育、健康や医療、土地や環境などなど多くの問題を抱えています。
そのため、海外からの支援を受けながら、スペイン語かポルトガル語と先住民族の言葉による二カ国語教育をはじめ、健康担当者の育成、伝統医療の復興など、多くのプロジェクトが行われています。アマゾンの自然環境問題は、南北問題、なかでも持つ者と持たざる者の問題でもあり、それは先住民族を取り巻く現状そのものとも言えるのです。
経済発展の名のもとで開発が進められていますが、自然環境問題が問われる今こそ、自然と共生してきた先住民族の知恵や知識に学びながら、世界観を見直してもいいのではないかと思っています。彼らの伝統的な生活を、改めて見直すことが、今後の地球環境問題の鍵になるのではないかと考えます。」
(石橋)
ピースドランカー基礎練習
出航後に立ち上がった、船内唯一(?)の本格派劇団、「ピースドランカー」。どんな顔ぶれが揃っているのかとお稽古風景を覗いてみると…。メンバー曰く「公演後の打ち上げで『ガーッ!』と飲みたい人が集まっています」とのこと。そんな目的のために劇団を立ち上げた9人には、とくに経験があるわけでもない。そもそも、劇団名が「ピースドランカー(平和の呑み人?)」なのだから…。
しかし、主宰者の歳森さんによると、「みんなものすごい熱心ですよ。立ち上げメンバーで演劇経験者の2人が途中脱退して、劇団やめようかと思ったんです。それでも、みんなが『やりましょう!毎日練習来ます!』って言ってくれて。ながーい早口言葉のような発声練習も3日で覚えたし、他にも船内の様々な場面で活躍して大忙しの人が多いのに、毎日2回の練習に必ず来てくれます。彼ら、本気でやっていますよ!」とのこと。
また演出をかってでたメンバーによれば、「『シェイクスピア』のような有名な劇はやりたくない。セリフや動きが決まっていると人形劇のようでつまらない。みんなの練習からヒントを得て、オリジナルの劇を考えたいです。みんなには、ふだんの自分とは違うキャラクターを演じられるようになってほしいです」とのこと。
まだまだ基礎練習の段階。クルーズ最後には、すばらしい公演を期待してますよ!
(真家)
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