2月27日  ▼ルーシ号出港
オリビア号のチェックアウトを済ませたらいよいよルーシ号へ乗船。入り口でボーディングチケットを見せると、スチュワーデスがお部屋まで案内してくれた。早速、船内散策してみると、やはりずいぶんOLVIA号とは勝手が違う。あちらこちらで「迷子になっちゃいました」という参加者が続出。とはいうものの、スタッフも右へ左へとウロウロ。全員が転校生気分。
「みなさんこんにちは」記念すべきルーシ号での第一声は、クルーズディレクターであるピースボートスタッフ木瀬のこの言葉。このオリエンテーションでは船内各種サービス、パブリックスペースなどの説明が行われた。
「今度の船内事務局はガラス張りの開けたスペースとなっています。これは今まで以上に、みなさんと一緒にクルーズをつくってゆこうというスタッフ一同の気持ちのあらわれです。ぜひ気軽にお越し下さい。」
OLVIA号の後方デッキに掲げられたのは「Thanks OLVIA」と書かれた横断幕。よく見ると「今までありがとう」、「元気になったらまた会おうね」など、既に『我が家』と呼んでもおかしくないほど住み慣れ、思い出のたくさん詰まったOLVIA号との別れに際しての、それぞれの思いが書き込まれていた。
出港式では、船長ユーリ・パンチェンコフさんから挨拶。「みなさんルーシ号へようこそいらっしゃいました。そして、ここから東京までのみなさんの航海の無事をお約束します。次の寄港地南アフリカのケープタウンは非常に美しい土地です。ぜひご期待下さい。」 これまでに日本とウラジオストクの定期船として活躍していたこともある本船だけに、船長はじめ多くのクルーが日本に馴染みが深いという。そのためかこの船長さんも日本食が大の好物だとか。
向かいのOLVIA号からは、ここケニアで下船する人、そしてこれまでお世話してくれたクルーも見送ってくれた。「OLVIA号から見送ることはあっても、こうして見送られるととっても切ない」そう思った人は多いはず。紙テープを投げ、大声張り上げ、見送る人たちとOLVIA号へ感謝の気持ちを伝えていた。
いよいよ出航間近になると、手を振る姿、ただじっと見つめる姿などデッキには大勢の人だかりができた。
定刻の21時、夜風に包まれたモンバサ港をルーシ号が出航した。約20日間の滞在を経て、馴染みになったケニアともお別れ。そして、徐々に小さくなってゆくオリビアの姿に、思わず涙する人も。たいせつな『我が家』が遠く見えなくなっても立ち去ろうとしない人の数の多さが、参加者たちの気持ちを雄弁に物語っていたのでは…。
(生間)
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