12月24日  ▼映像の世紀(10)〜民族の悲劇果てしなく〜/桃井和馬(フォトジャーナリスト)
フォトジャーナリスト桃井和馬さんがNHK制作の『映像の世紀』をもとに20世紀についてレクチャーする企画第10回目。今回は20世紀中に起きた民族間の対立と、そこからはじき出された難民たちの歴史について語った。
「冷戦が終了して、みんなが世界は平和になると思いました。しかし、そうはなりませんでした。1990年代には世界で130の紛争がありました。これは、10年間という区切りでは、人類史上最も多い数です。  
柔らかいナショナリズム(民族主義)は、人間が本質的に持っているものなのかもしれません。しかし、ナショナリズムはファナティック(熱狂的)になりやすいことも事実。為政者が利用しやすいということを強く覚えておく必要があります。」
ジェンダー〜男と女は平等か〜
男と女の社会的立場の違いと平等について話し合おうという企画。参加者の関心も高く、活発な意見交換が行われた。
「私たちはピースボートに乗っていますが、ピースボートの中では宗教の差、民族の違い、政治といった多くのことについて話し合いますが、なかなかジェンダーについて話し合われることはありません。ジェンダーについて考えたとき、私達の生活の何気ないところにも男女の不平等はあり、差別というものは潜んでいるという風に考えることが出来ます。」
「日常の中で、当たり前だと思っているようなことに、実は差別的なことが含まれていると思います。しかしそれについて何も違和感を感じないことが問題だと思います。このジェンダーの問題について、友人や自分の家族、子供と話し合ってください。」
映像の世紀(11)〜JAPAN〜/桃井和馬(フォトジャーナリスト)
フォトジャーナリスト桃井和馬さんの連続講座、「映像の世紀」の第11回目。最終回となる今回は、20世紀の映像が、世界に対し「日本」をどのように伝えていったのかを語った。
「為政者は、いつも美辞麗句を利用して世の中を動かそうとします。そして、その中で大きな役割を果たすのがメディアです。今、『メ ディアリテラシー』という言葉がよく使われますが、これは、メディアを正しく利活用できる能力のことをいいます。『メディア・リテラシー』を持つためには、受け手である一般の人々が、メディアというものの特性をきちんと理解しておく必要があります。
『日本』『国家』という概念もまた、為政者に利用される恐れが大きいのではないでしょうか。そうならないために。『日本とは何か』『国家とは何か』ということを、私たちは普段から考えておく必要があると思います。」
カンタレモス〜スペイン語の歌を歌おう〜
ピースボートスタッフ山本奈美が、南米で人気のある歌、”LA VIDA ES UN CARNAVAL”(人生はカーニバル)の歌詞とその意味を教えてくれた。「ラテンのノリのいい曲だけど、1年かけてカーニバルの準備をしても1日で終わってしまうことから、この歌にははかなさも含まれてるんだよ。」というのは初耳だった。
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