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もっと知りたい旧ユーゴ(2)コソボ編〜コソボこそ僕の故郷〜
/ヒスニック・ハリミ
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コソボ出身でNGO職員をしているヒスニック・ハリミさんが、旧ユーゴスラビア問題に関するシリーズ講座の第2回目、「もっと知りたい旧ユーゴ〜コソボ編〜」で、自らの体験を元にコソボに住むアルバニア人たちの気持ちを代弁した。
「NATOによる空爆の是非についてはさまざまな見解がありますが、空爆が私たちに自由をもたらしたのは事実です。確かに、空爆が行われた3ヶ月間、セルビア治安部隊によってそれまで以上に多くのアルバニア人が虐殺されました。しかしそれでもコソボのアルバニア人はNATOの空爆を歓迎しています。それはそれまでこの問題を無視してきた国際社会がコソボに注目したという事であり、NATOとセルビアが合意した結果、200万人に及ぶコソボのアルバニア人が自由を手にしたのですから。
10月28日の選挙は、大きな混乱もなく終了しました。コソボが自立するようになるまで、まださまざまな課題がありますが、多民族国家として独立するために一歩ずつ前進しています。」
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もっと知りたい旧ユーゴ(3)クロアチア編〜船でたどった戦争と平和〜
/ゴラン・ベージッチ(ジャーナリスト)
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クロアチアのジャーナリストであるゴラン・ベージッチさんは、旧ユーゴシリーズのクロアチア編「船でたどった戦争と平和」で、旧ユーゴ内戦をくぐりぬけた体験や、ク ロアチアの現状について語った。
「旧ユーゴからの独立をめぐる紛争のときに、クロアチアにいた20万人以上の セルビア人が迫害を受けました。彼らはクロアチアから追い出されて難民となり、逃げ遅れた年配者は殺されました。さらに問題だったのが、クロアチ アでは戦争が終わってからも誰もその責任をとらず、政府の責任を追求する者さえいなかったということです。そのためクロアチアは国際社会から見放され、孤立してしまいました。
しかし最近になって独裁者のツジマンが死に、彼の政党が今年1月の選挙で敗れたために国の体制は大きく変わりました。
政府は、セルビア系の人々を帰還させるという約束も実行しています。その変化に至る過程では、野党 よりむしろNGOや独立系のメディアの役割のほうが大きかったと思います。 クロアチアは今も経済的に大きな困難を抱えていますが、国内のセルビア人との"和解"という意味では、やっと少しずつ良い方向に歩みはじめたのではないでしょうか。」
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