PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.204 2月9日号
先週のピースボート
ピースボートスタッフが第5回世界社会フォーラムに参加
 ブラジル南東部のポルトアレグレ市で、1月26日から31日まで行われた「世界社会フォーラム(WSF)」に、ピースボートのスタッフ6名が参加した。
 世界社会フォーラムは、多国籍企業などの利益だけを保護することにつながる新自由主義的グローバリズムに抗議する形で、2001年1月に初めて開催された世界最大の国際市民会議。今年開催された第5回会議には、122カ国から約8万人が参加した。
 今回ピースボートは「GPPAC(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)」と「米軍基地問題」の二つをテーマにフォーラムなどを開催。特に、米軍基地問題のフォーラムには多くの関心が集まり、世界各地の米軍基地問題の研究者やNGO関係者が多数参加。ここではピースボートが行っている辺野古の基地建設問題に対する取り組みを発表、世界へ連帯行動を呼びかけた。
 また、初日の夜にはWSFの主要参加団体から成るIC(インターナショナル・カウンシル=国際評議会)メンバーとして、ピースボートスタッフの櫛渕万里がブラジル大統領ルーラと3時間にわたり会見。市民の立場から、グローバリゼーションをはじめとする様々な問題について議論を交わした。

GPPAC「東京アジェンダ」を採択――東北アジア9都市のNGOが参加
 2月4日、渋谷区青山の国連大学で、シンポジウム「紛争予防 市民・NGOからの提言」が行われ、GPPAC東北アジア地域会議が幕を閉じた。GPPACは「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ(Global Partnership for the Prevention of Armed Conflict)」の略で、2005年7月にコフィ・アナン国連事務総長の呼びかけでニューヨーク国連本部で行われる国際会議へ向けての世界規模の紛争予防に関するNGOのネットワークづくり。今回このGPPAC東北アジア地域会議で採択された「東京アジェンダ」は、今年9月の国連総会に提出される。
 2月1日にはこの「東京アジェンダ」を採択する会議が開かれ、東北アジア8都市、上海・北京・香港・台北・ソウル・ウランバートル・ウラジオストック・東京・名古屋からのNGO代表が集まった。

 ここでは紛争予防のために必要なテーマが下記の4つに分けて話し合われた。
1.軍事力の縮小や武力に頼らず平和と共存を目指すシステムを作ること。
2.紛争地や将来戦争が起こる可能性があるような国に、人道的な支援や経済的手助けをすることで争いをさせないこと。
3.多文化や他民族、またその国々に住む人々を互いに尊重し認め合うこと。
4.国と国の経済的な貧富の差をなくすために、経済のシステムを変革し対等で持続可能な経済を目指すこと。

 また、日本の憲法第9条も焦点となり、平和憲法9条に明記されている「戦争放棄と軍備及び交戦権の否認」はまさにテーマの1つ目と2つ目にある軍事力の放棄・縮小、武力ではなく人道支援をという目的に適うことを確認。それぞれの東北アジア地域から、日本の憲法9条を基本理念として紛争を予防していくべき、と明記されることとなった。また、同時に東北アジアおいて憲法9条が具体的に紛争予防のメカニズムとして機能していることが確認され、東北アジアの市民社会は、日本社会が9条を堅持していくことを求める、との合意もなされた。

 この後、3月6日に伊藤塾渋谷校にて「東京アジェンダ」の報告会を予定。紛争をしない社会を創る一歩として、市民に出来ることを発表する。


今後のピースボート
「被爆60年」に核廃絶を呼びかけるイベントを開催
 2月19日、NGO「ピースデポ」らと協同で核廃絶を呼びかけるイベントを行う。これは、今年2005年がヒロシマ・ナガサキへの原爆投下から60年を迎える年であり、また「核拡散防止条約(NPT)」の再検討会議が行われる年でもあることから、この節目の年に市民の手で核廃絶を呼びかけようというもの。
 イベントにはWILPF(婦人国際平和自由連盟)のスージー・スナイダーさん、広島市長・秋葉忠利さん、長崎市長・伊藤一長さんらを招き、核兵器廃絶への具体的施策を提案する。また、ピースボートはいわゆる「核問題」の概略や、核廃絶に向けた世界の動きを紹介する「核問題入門キット」を発表する予定。

核廃絶は市民の手から〜被爆60年を転換の年に!NPT市民集会〜
日時:2月19日(土)13:00〜18:00(12:30開場) 
場所:日本青年館・中ホール(JR千駄ヶ谷駅徒歩9分) 
参加費:1000円
問い合わせ:ピースボート事務局(担当:高橋真樹)

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