ブッシュ米大統領へピースボートからの声明文を提出

2月17日、ブッシュ米大統領の来日に際し、ピースボートは「ブッシュ大統領の『十戒』」という声明文をアメリカ大使館へ提出した。この声明文を通じて、一般教書における「悪の枢軸」発言撤回や、アフガニスタンやイラクへの軍事行動の停止、京都議定書の批准など10項目を挙げ、「真の平和外交」による和平実現と地球環境保護を提案した。
米国大統領 ジョージ・ブッシュ殿

国際交流NGOピースボートは、世界の超大国である米国が、これまで国際社会が協調と対話によって築きあげてきたと和平と環境保護のための枠組みを壊していることに抗議します。
また同時に、人道的な真の平和実現や地球環境の保護を切望する世界の一般市民を大きな不安に落とし入れ、新たな不安定要因を生み出していることに大きな危機感をつのらせています。
国際社会のなかで経済的にも軍事的にも大きな影響力をもつ米国は、平和的な対話の継続と公平な経済支援によって、世界の多くの発展途上国や貧困地域を助けるリーダーシップをとるべき立場にあるはずです。

私たちは、9・11米国同時多発テロによって多くの犠牲者がでた米国市民の悲劇には深い哀悼の意を表すると同時に、その後の貴国によるアフガニスタン軍事行動では、同じく、アフガニスタンの多くの一般市民が尊い命を落とし、今も大量難民がでていることにたいへん胸をいためております。

ブッシュ大統領、米国中心主義のグローバリゼーションと「戦争外交」は、新たな敵をつくりだしてしまう危険性があります。これは、米国の一般市民にとっても新たな不幸を生みだす状況を招きかねません。
ここに、真の「平和外交」による世界の和平実現と地球環境保護を求めて、ブッシュ米国大統領へ「十戒」を提言いたします。

ブッシュ米国大統領への「十戒」

1)「悪の枢軸」発言を撤回すること。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、イラク、イランへ対話重視の外交政策に切り替え、ただちに、イラクへの軍事行動の動きを停止すること。
2)アフガニスタンへの一切の空爆を停止すること。
3)京都議定書の米国代替案を破棄し、京都議定書を直ちに批准すること。
4)イスラエル軍に対しパレスチナのガザ・西岸地区における一切の軍事行動停止と即時撤退を勧告し、国連監視団を送ることに賛成すること。
5)あらゆる核実験を中止すること。
6)国際刑事裁判所(ICC)設立に賛成し、設立に協力すること。
7)弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の破棄を撤回し、ミサイル防衛構想を断念すること。
8)在日米軍基地の早期撤退をめざし縮小・削減をすすめ、これ以上新しい基地はつくらないこと。
9)米原潜「グリーンビル」による「えひめ丸」沈没事件の真相究明を闇に葬らないこと。
10)日本政府及び各国政府へ「反テロ」を挙げた「戦争外交」への協力を求めないこと。

2002年2月17日
ピースボート共同代表
櫛渕 万里
Hanna Jongepier
関連アピール>>
■2/17 環境NGO「気候ネットワーク」とともに、京都議定書から離脱した米国が 発表した「温室効果ガス削減計画」に対し、アピールを行い、抗議文を米大使 館へ提出した。抗議文全文の紹介は下記(気候ネットワークホームページ)。
http://www.jca.ax.apc.org/~kikonet/index-j.shtml
■2/18 新宿駅前にてブッシュ米大統領および小泉首相の政策に対して、平和的 解決を求めてダンスによるパフォーマンスを通じてアピールを行い、市民から のメッセージを集めた。その様子については下記(AP通信社ホームページ)。
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/020218/168/14fnh.shtml
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/020218/168/14fo5.shtml
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