PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.2  5月31日号
先週のピースボート
アルバニアとマケドニアからの帰国報告 コソボ難民の実態を取材
 ピースボート共同代表の吉岡達也(38歳)がハーグ平和アピール会議(オランダ)出席後、マケドニアとアルバニアを訪問。難民キャンプや収容所でコソボ難民の実態を取材し、5月27日(木)に帰国した。通訳、案内人として同行したのは、クロアチアの独立系通信社「スティナ」の共同代表ゴラン・ベイジッチ。
 マケドニアの首都スコピエでは社会福祉副大臣、週刊誌「パルス」編集長、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)広報担当と面会。コソボ自治州との国境にある町ブラチェの検問所近くで大量流入するコソボ難民の状況を視察。そしてその大半が収容されるスタンコビッチ難民キャンプで20名以上の人たちに、NATO空爆に対する意見、エスニック・クレンジングの実態、困窮状況などの取材をおこなった。その結果、アルバニア人の大半が「空爆支持」、いっぽうマケドニア人は「空爆反対」という興味深い状況が明らかになった。
(高田 康弘)

2日間で1万5000人のコソボ難民が避難 具体的な支援案を検討
 マケドニア国内でもとくにアルバニア人が多く住む街テトボでは、日刊新聞社「コハ・デ・トーレ」を訪問し、バトム・ハジウ編集長と会見。この新聞は以前コソボで発行されていた日刊紙で、編集局員がほとんど難民として国外流出し、ここテトボで活動を再開したもの。取材用のカメラもないという不十分な環境のなか、現在約1万部を発行。ピースボートからビデオカメラ1台を寄贈した。
 5月23日、テトボ郊外にあるマケドニア国内最大のキャンプを訪れる。NATO軍の管理のもと、約3万5000人がここに暮らす。気温が30度を越える日も増え、飲料水不足や衛生面など、多くの問題をかかえている。なお、滞在中の2日間で1万6000人にもおよぶ難民のマケドニアへの大量流入があった。
 翌24日、テトボから陸路約7時間の行程でアルバニアのティラナへ移動。UNHCR職員の案内で難民キャンプをまわった。避難所のひとつ、スポーツパレスは1万人近くの難民が暮らす元体育館。衛生状態は最悪だった。また巨大レストランを改造して内部に多数の2段ベッドを並べた難民キャンプもあった。
(高田 康弘)

コソボの国民的歌手アデリナ・イスマイリ来日決定!チャリティーコンサート企画中
 ピースボートでコソボ難民支援の具体的なプロジェクトを検討していたところ、コソボの国民的歌手アデリナ・イスマイリ(20歳)を日本に招聘する案が浮上。吉岡が現地で交渉した結果、今年8月の来日が決定。チャリティ・コンサートを開催する企画が現在進行中。アデリナ自身、現在、マケドニアのテトボの収容所で暮らしているコソボ難民である。
 UNHCR によると、マケドニアでは難民帰還にむけての登録作業の遅れが問題になっているという。日本政府はUNHCRを通じて約2300万ドルの支援(米国政府の約3倍)を実施しているが、まだまだ不十分である。現地では登録作業のサポートができる英語のできるボランティアが求められている。
(高田 康弘)

修学旅行生徒がピースボート訪問 NGO活動に高い関心
 5月23日(日)、熊取町立熊取中学校(大阪府泉南郡)の3年生徒13名がピースボート東京事務局を訪問。午後1時30分から約1時間、ピースボートの活動内容全般について、また具体的なプロジェクトとして「地雷撤去キャンペーン」について、ピースボートスタッフがわかりやすく説明した。これに対し、生徒たちからは、「ピースボートをやっていて楽しいこと、よかったことは何ですか」「ボランティアでは給料がもらえないのにどうやって生活しているのですか」など素朴な疑問から、「具体的にどんな地雷撤去活動をしているの」とか、「ピースボート活動の意義は」といった少しつっこんだ質問まで活発な発言が続き、それぞれ熱心にメモを取っていた。この訪問の記録を旅行から帰ってからレポートにまとめ、報告書を作成するとのこと。ピースボートに一部寄贈してくれる予定。
 5月31日(月)16時には、大口町立大口北部中学校(愛知県丹羽郡)の修学旅行生徒16名がピースボート東京事務局を訪問する予定。
(高田 康弘)

八王子国際交流イベントに展示ブース参加
 5月30日(日)、東京都八王子市、市庁舎北河川敷広場にて行われた、第7回国際交流イベント「みんなちがってみんないい」にピースボートのブースを設置。ピースボートの国際交流活動や次回の2000年地球一周クルーズについて、ピースボートスタッフが広報活動をおこなった。
(高田 康弘)

ピースボート乗船者の集い「同航会」開催 (東京・大阪)
 ピースボートに参加し、ともに航海した仲間たちが集まる会として、同窓会ならぬ「同航会」(ピースボート流の呼びかた)に参加された方を対象にしたもの。大阪会場には38名、東京会場には146名が集まり旧交を暖めた。
(きせたかよし)

核廃絶ネットワーク「アボリション2000」の評議委員団体に推薦される
 世界76カ国の1000以上の反核団体が加盟する核兵器廃絶ネットワーク「アボリション2000」の年次総会において、中心的な実行グループともいえるグローバル・カウンシルのメンバー(総数30団体)にピースボートが推薦された。「アボリション2000」は日本からも36団体が加盟(98年5月現在)する世界最大の反核ネットワークで、今回はピースボートを含め、原水禁、平和資料協同組合(ピースデポ)の3団体に評議会への加盟の打診があった。ピースボートでは、来年3月のアクション・ウィークの行動内容を企画し実行していくためのメンバーとして活動するを決定し、今後この反核の世界組織の重要なメンバーとして活動していきます。
(きせたかよし)

中古パソコンをブラジルのスラムの子供たちへ
 ブラジルのスラム街に暮らす子どもたちの職業訓練のため、パソコン教室を開講しているNGO「コンピュータ科学民主化委員会(CDI)」に対し、日本から中古パソコンを届けようと、ピースボートをはじめとする国内数団体でプロジェクトを開始することになった。
 これは先日、CDIの創立者ロドリゴ・バッジオ氏が来日したさいに、JCA-NETと協力関係を結んで具体化したもの。ピースボートでは今年2月にリオ・デ・ジャネイロのスラムに訪れて交流プログラムを成功させたというつながりがあったこともあり、来春2月に客船でリオを再訪する際に、現地へパソコンを届ける役割を担うことになった。
 5月22日(土)に朝日新聞紙上(夕刊1面「地球の肖像」)でこのプロジェクトが紹介され、これまでに100件近くのパソコン寄付の申し出がある。
(きせたかよし)

ハーグ平和市民会議でのアンケート集計 半数以上が憲法9条を知らず
 今月12日から15日まで、オランダのハーグで開かれたNGO主催のハーグ平和市民会議の会場で、世界各国から参加したNGOのメンバー、平和運動家を対象に、憲法9条、ユーゴ空爆、日本の常任理事国入りなどについてのアンケート調査をおこない、合計317名の回答を得たが、その集計結果がまとめられた。
 紛争解決のための軍事介入には半数以上が賛成、日本国憲法第9条の存在は56%の人たちが知らない、日本の常任理事国入りには約半数が賛成、など興味深い結果が出た。なお、NATO軍のユーゴ空爆については、平和運動団体メンバーへの質問であるにもかかわらず、条件付き賛成を含めると2割近くが支持すると答えた。各質問のコメント欄にも数多くの貴重な意見が記入されていた。
 ピースボート事務局では、ハーグ平和市民会議の報告書のなかで、この集計結果をまとめる予定。
(高田 康弘)


今後のピースボート
香港、マカオ「六・四天安門十周年集会」を現地取材 今秋クルーズでも訪問
 6月4日(金)に香港のビクトリアパークで開催される「六四天安門事件追悼燭光集会」を、ピースボート共同代表のひとり高田康弘が取材にでかける。ピースボートセミナーの現地実習の一環としておこなわれるもので、香港史研究家の和仁廉夫が同行。翌5日には、マカオで王丹、魏京生ら在米の民主活動家などが集会を開くとの情報もあり、あわせて取材する予定。
 香港には今年10月22日に第26回ピースボート「北回り地球一周の船旅」で寄港し、現地で交流、検証、見聞などをテーマにしたオプショナルツアーを実施する。今回はその下見、打ち合わせも兼ねた訪問となる。

ピースボートセミナー2000 「ベトナム報道35年」 石川文洋 (報道写真家)
6月5日(土) 18:00〜 早稲田奉仕園レセプションホール  参加費:500円
 石川文洋がカメラを抱えて命がけで追い続けてきたものとは……。インドシナ現代史とベトナムの魅力をたっぷり、熱く、そしてわかりやすく語る。

ピースボートセミナー2000 「めざせ!熱きキューバ」 伊藤千尋 (朝日新聞記者)
6月6日(日) 16:00〜 シチズンプラザ2F・A室  参加費:500円
 カリブ海に浮かぶ、真珠の島と呼ばれるキューバ。今も昔も人々を惹きつける魅力は美しすぎる海だけではない。気候も熱いが、人も熱い! 朝日新聞の元バルセロナ・中南米支局長の伊藤千尋が中南米にこだわる原点でもあるキューバでの体験、そして魅力を語る。

旅専――海外おもしろ旅行博にブースを出店 (名古屋)
 従来のパッケージツアーとはひと味違う、専門的で個性的な旅をあつかう旅行社や旅行企画団体が集まる「旅専」(海外・旅の専門店連合会)のイベントにピースボートがブースを出店します。
 6月5日(土)〜7日(月)、名古屋のナディアパーク・デザインセンター3F、デザインホールで開催。

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