日本エリトリア法律家懇親会
2002年8月15日、エリトリアにて「日本・エリトリア法律家懇親会」を開催。日本の法律家をエリトリアへ派遣し、両国の法曹関係者がその法曹教育について報告、今後のエリトリアにおける法曹教育の在り方を議論する場を持った。

当初は両国の法律家、政府関係者、学生など、80〜100人が参加して行われる予定だったが、エリトリアの内政状況が奈津子路から急激に悪化。急遽、予定を変更し、「懇親会」という形での開催となった。
参加者は、最高裁判官経験者をはじめとする、元裁判官、弁護士、大学教授、法務省のリサーチ担当者など、総勢15名。当初より小規模なものとはなったが、法律家の懇親会としては、最高の顔ぶれがそろった。

懇親会レポート
懇親会は、先のエリトリア人弁護士による簡単な挨拶に始まり、日本・エリトリア双方の参加者代表による自国における法曹教育等についての発表が続いた。日本側の代表は伊藤真氏。伊藤氏は法曹教育の現状・問題点や司法改革等について紹介した他、法律家としてのあるべき姿についてもお話をしていただいた。

二人の発表が終わると、その後は完全にフリートーク。エリトリアの主食インジェラを食べ、蜂蜜から作られるミェスという酒を飲みながら、各自がいろいろな話で盛りあがった。法律問題のみならず、それぞれの国の文化についても、さらには酒の話まで…。会は予定を大幅に延長して夜遅くまで続いた。

法曹会議中止という予期せぬ事態の結果行われた法律家懇親会だが、予想以上の手応えはあった。法律という同じ分野で活躍する者同士の交流、その中で参加者が個人的に得るものも当然多かっただろう。だが、それだけではない。今後、日本とエリトリアが法律という分野で協力していく上で、互いの顔を知っているということの意義は決して小さくない。その意味で、この懇親会は大きな第一歩と言うことができるだろう。
(太田雅之)

派遣メンバー
・伊藤 真
(伊藤真の司法試験塾塾長)

司法試験教育に携わって約20年、既存の法曹教育制度に疑問を呈し、弁護士登録を抹消し自ら司法試験塾を立ち上げる。これまで多くの法律家を生み出している、日本法曹教育界の第一人者。
・梅田 康宏
(弁護士・東京弁護士会所属)

2000年10月弁護士登録。NHK総務局法務部に勤める企業内弁護士。50カ国以上の外国訪問経験のある筋金入りのバックパッカーで、グローバルな感覚を備えた若手法律家。
藤原 唯人
(弁護士・兵庫県弁護士会所属)

2000年10月弁護士登録。20歳の時阪神大震災を経験し、被災地の復興に法律家として貢献したいと考え、司法試験受験を決意。他方で国際社会にも目を向ける、ローカルな視点とグローバルな視点を併せ持つ若手法律家。
・大場 寿人(法曹会議コーディネーター)
2000年度司法試験合格。司法修習を延期しエリトリアへの法整備支援活動に関わる。法曹会議終了後も、ひとりエリトリアに残り、法整備ボランティアを行う。

・太田 雅之(法曹会議コーディネーター)
2000年度司法試験合格。司法修習を延期しエリトリアへの法整備支援活動に関わる。法律という視点から環境問題の解決に貢献することを目指す。
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