3月15日  ▼修行ウラ話と落語/古今亭菊千代(落語家)
古今亭菊千代さんによる講座の第2回目。「落語」の世界やそのしきたり、修業時代の苦労話などをお話しいただいた。さらには、船内で募集された「お弟子さん」30名の紹介、そしてみなさんお目当ての落語を2席、極めつけは南京玉簾までが披露され、またまた会場大満足の講座となりました。
「落語界は『見習い』、『前座』、『二つ目』、『真打ち』と、とかく位がモノをいう制度になってます。『見習い』とは、師匠からしてみれば海のものとも山のものともわからない人の様子を見る期間ですね。師匠宅の家事をこなし、食事を一緒にとり、出かけるときはお供する。とにかく生活の全てを一緒にするわけです。おもしろいことに弟子入りする人数は、景気の善し悪しと関係があり、景気がよければ弟子は来ない、景気が悪ければ弟子が増えるんですよね。
ちなみに私が弟子入りしたのは、ちょうどバブル全盛期。その年の新弟子は私だけ。そしたら雑誌に『今年の新弟子わずか1人、それも女だった』なんて書かれたのを今でも覚えています。
入ってから12、3年を経るころには『そろそろ』なんてお声がかかって、いよいよ『真打ち』となる機会が来るわけです。現在は『推薦』の形式で適した人材が選ばれてゆくのですが、なったらなったで、とにかくお金がかかる。まさにお金に羽が生えるがごとく。1人で「真打ち興行」を行うのに、私の時で1000万円かかるといわれていました。とはいっても本当に大変なのはここから。落語をちゃんと勉強していないと仕事がない。なのに後輩も増えますからいろいろとご馳走もしなきゃいけない。真打ちが寄席に出る機会は限られるのに、寄席では大したお金にはなりません。『真打ち貧乏』なんて言葉があるくらいですからね。自分で必死に仕事を探さなくてはならないのです。」
世界貿易ゲーム
「ゲームを通じて、世界経済の仕組みを考えてみよう」という、ピースボートスタッフ・鈴木郁乃による自主企画。 「経済ニュース」なんてちんぷんかんぷん、「経済新聞」も読んだことがない。そんな自他ともに認める「経済音痴」たちが集まって、その名も『世界貿易ゲーム』にチャレンジした。スリル満点、思わずヒートアップしてしまうこのゲーム、終わるころには、世界貿易の仕組みが分かったとか、そうでないとか。
参加者はAからFまでの6つの国に分かれ、あらかじめ用意された紙と道具を使って、「世界銀行」の指定する5つの図形(長方形、三角形2種類、円形、五角形)を作る。この作った図形を、互いに売り買いして、最終的にどの国がいちばん「儲け」が多かったかを競うという単純なゲーム。ただし、売り買いの価格は「世界銀行」によって決められ、各国の持つ資源(紙、定規、ハサミ、コンパス、分度器、のり)と資金の量はバラバラ、というところがミソ。
最初はあちこちの「国」から「これで何が作れるんだ!?」の声。それならばと、互いの利害を一致させるための交渉が始まる。「分度器を3分間200ドルで貸して」、「ダメダメ、分度器はうちの貴重な資源だから800ドル」。時には「世界銀行から資金借りてきたよ」という国があったり、「大量生産された長方形が大暴落して50ドルに!」なんて「事件」が起きたり。 さらには、「ほら、3分経ったよ。ハサミ返して」と、子どものようにムキになる「国」も。
ゲームの結果、一番儲けた国はスタートの時点で既に資源も資金も豊富にあったE国でした。やはり「持てる国」は、さらに「持てる国」になっていくということでしょうか。
最後に企画主催者、鈴木からの言葉。「国によって、それぞれ持っている資源や資金力は違います。今の世界経済は、同じグラウンドに立っていないのに競争しなければならない、というようなものです。今回のゲームで、そんな世界経済の動きを感じ取ってもらえたのではないでしょうか?」
(真家)
ヘナタトゥーで遊ぼう
「アフリカ大好き!」というピースボートスタッフ・鈴木郁乃が、ケニアの街を散策していて見つけたのが『ヘナタトゥ』。
使用方法はいたって簡単。『ヘナ』という植物を粉末にして水で溶き、体の好きな部分につま楊枝で好きな絵を描くだけ。塗料が自然にはがれ落ちると、肌には茶色がかったオレンジ色の絵が現れ、あっという間に『ヘナタトゥ』のできあがり。船内屋台『まんだら屋』の近くで行われたせいか、人気メニューの「キムチ餃子」や「枝豆」、そして忘れちゃならないビールを楽しみながら彫り込む姿が。
星空の下、すっかりほろ酔い気分で開放的になった参加者の中に、どこかで見た顔が…? そうです、水先案内人としてご乗船いただいている落語家の古今亭菊千代さんではありませんか。う〜ん、いつもの着物姿からは想像できない刺激的なお姿ですね。
(石橋)
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