1月28日  ▼お父さんに会いたい
/カルメリータ・ヌクイ(DAWN女性開発行動ネットワーク代表)
フィリピンのマニラに本部を置き、日本人とフィリピン人女性の間に生まれた子供や、その母親たちをあらゆる側面から支援するNGO「DAWN(ドーン)」の代表、カルメリータ・ヌクイさんに、日本で放映された映像などとともに活動の様子を語っていただいた。
「なぜフィリピン人女性が出稼ぎにこなければならないのか?家族の貧しい生活を支えるには、フィリピン国内には職がない、また賃金の安さにも原因があります。そうした理由のために日本へ出稼ぎにきた女性と、日本人男性の間に産まれた日比「混血児」は、その数およそ10万人。また、その子供たちはフィリピン国内で差別され、何より父親と会うことができない、もしくは顔さえ知らないという精神的にも傷を負った状況に置かれています。
そこで私たちDAWNでは、日本で父親探しをしたり、劇団『あけぼの』の公演を通じてフィリピン国内外での理解を広めたり、女性たちの就業支援として裁縫などの技術トレーニングを行っています。
私はこれらの問題は個々のものではなく、国同士の問題だと認識しています。現在でも週に3人程度の女性が日本大使館に駆け込むケースがありますが『個人の問題だ』と相手にしてはくれません。しかし決してそうではないのです。フィリピン政府が多くの就職先を作ったり、または日本へ移住するためのコストを下げたりといった政策をとることも、母親やその子供たちの抱える問題を解決する方法のひとつではないのでしょうか。」
(生間)
これであなたも航海作家?/金丸知好(自由文筆家)
船旅の専門誌『クルーズ』などで活躍されている自由文筆家の金丸知好さんが、「せっかく船旅に出たのだから、航海記を書いてみよう!!」ということで航海記の書き方を語った。
「地球一周のような長期クルーズの航海記を書くときは、テーマを絞ることが大切です。ピースボートは面白い人がたくさん乗っているので、その人に焦点を当てるのも良いですし、滅多に行けない国への訪問や他の国とのユニークな交流企画も多いので、それに焦点を絞るのも良いとは思います。しかし、いずれにしてもただ行ってまわった、という報告では面白くありません。自分自身どう感じたのかをさらけ出してこそ、読んだ人が感情移入できるのです。
また、旅について書くときは3つのポイントがあります。まず、「その場所について調べること」、「その場所に行くこと」、そして「記録を残すこと」です。メモを持ち歩き、何時に何があったのかを記録するとよりリアルさが出ます。思いきって人と違った視点で見てみることもたいせつです。そういう意味では、文章力よりも企画力や構成力が求められますね。とにかく、自分の書きたいこと、書きやすいことを書き、自分の思いを残すことがよい航海記への近道です。」
(高本)
もとこの歯磨き教室
夕食が終わってすぐ行われた歯磨き教室は今日で3回目。今回は、赤染めによる「歯垢チェック」。歯ブラシとコップを持参した約15人が集まった。「まさか船の上でこんな赤い口になるとは!」と参加者のひとり。一生懸命に鏡の中をのぞき込み、もとこ先生にあわせてブラッシングをした。
「白い歯よりも赤い歯肉を優しく丁寧に」。「歯磨き」は歯を磨くのではなく「歯肉のマッサージ」をするのが極意とのこと。気がつけば15分も磨いた歯は、ビックリするほどすっきり。しかし自分の歯をのぞき込むこの姿、あんまり人には見られたくないかも。
(真家)
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