元気の素はベトナムにあり/伊藤千尋(朝日新聞記者)
ベトナム寄港の前日ということで、200人近くの参加者で熱気あふれる中、「ベトナムを取材するたびにエネルギーを感じる」という伊藤千尋さんに、この国の魅力を語っていただいた。
「ベトナムと日本は、共に中国の影響を受けながらも、独自の文化発展を遂げてきたという共通の歴史を持っています。しかし、ベトナムと日本で一番違うところ、それはベトナム人はひとりひとりが自立しているという点です。初めてこの国に行ったとき、私はすごいパワーを感じました。
ベトナムはかつてフランスに支配され、第二次世界大戦では日本の侵略を受けました。そしてベトナム戦争のあとも、カンボジアへの侵攻や中国との戦争など、ついこのあいだ、1979年まで、戦争戦争ですよ。そんななかで、ベトナムの人は自分の国を豊かにするため、ひとりひとりが国を守ろうと行動する。武器がなければ、敵に蜂をけしかけて襲わせたりと頭を使う。
戦争が終わり、さあ復興という時、人々はまた国を豊かにするためには?と考えました。そして、さまざまな試行錯誤のすえに登場したのが、社会主義の理想と資本主義の利点を合わせたドイモイ政策です。ソ連が崩壊するよりずっと前に、自分たちの国に合ったやり方を考え実践していました。国民ひとりひとりも軍も政府も後ろではなく常に前を見て、いろいろな人がいろいろ試行錯誤しながら社会を切り開いています。」
▼船内タイムテーブル▼
1月21日
▼おまけ▼
今日の海と空(1/21)
 
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