ノーベル平和賞サミットにて
「中東非核地帯」プロジェクトを発表

 2010年11月12日、広島市内にて開幕した第11回ノーベル平和賞受賞者サミット「ヒロシマの遺産:核兵器のない世界」に、ピースボートスタッフ・吉岡達也らが参加。午後のセッションにて、ピースボートが2008年から行っている『ヒバクシャ地球一周 証言の航海』を「中東非核化地帯化」につなげるプロジェクトを、2011年から2012年にかけて実施する構想を発表した。
ノーベル平和賞受賞受賞者サミット。写真右がピースボートスタッフ・吉岡達也。 サミットには、歴代のノーベル平和賞受賞者が参加した
 「ホライズン(水平線)2012」と名付けられたこのプロジェクトは、2010年5月の核不拡散条約再検討会議(NPT再検討会議)において、「中東非核地帯のための国際会議を2012年に開催する」と決定したことを受け、その実現に向けた市民社会の喚起を目的としたもの。

 ピースボートはこれまで、27年にわたる国際交流活動において、パレスチナやイラクをはじめとする中東地域への人道支援活動を展開。パレスチナ難民キャンプや、ガザ地区を訪れての、市民による交流活動も続けてきた。また、船上にイスラエル・パレスチナ双方の若者を招き、対話の機会を設ける「国際奨学生」プロジェクトも定期的に実施している。

 核軍縮分野においては、2008年より『ヒバクシャ地球一周 証言の航海』(おりづるプロジェクト)をスタートさせ、広島・長崎の被爆者と共に船で世界をめぐり、核の被害を発信。「平和市長会議」や「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」、「アボリション2000」、「核不拡散・核軍縮議員連盟(PNND)」などと共に、核廃絶の緊急性を訴える活動も続けている。

 「ホライズン2012」はこうした活動から生まれたもので、ピースボートの船が中東地域へ寄港する際、被爆者と共に原爆被害の実相を訴え、地元市民社会への関心と理解を高めることを目的としている。
 この取り組みは「中東非核地帯」の機運を高めるだけでなく、暴力の連鎖が続く中東地域における、信頼醸成と和平促進の効果も期待できる。

 ノーベル平和賞受賞サミットにおいて吉岡は、「被爆者が直接語れる時間はきわめて限られている。今が行動のとき。中東非核地帯化に貢献することで、東北アジアの非核地帯化への機運も高めたい」とスピーチした。

 ピースボートは、2011年に催行する「地球一周の船旅」において、エジプト、トルコ、リビア、ヨルダンなどへの寄港を予定。また2011年1月出航の第72回クルーズでは、4回目となる『ヒバクシャ地球一周 証言の航海』を実施し、約10名の被爆者と世界をめぐる。
 こうした取り組みの中で、世界各地のNGOらと共同で「ホライズン2012」プロジェクトを発足させる予定だ。

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ピースボート事務局(担当:川崎)
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