ピースボートが以前から外務省に対して、回答を求めていたアフガン復興支援会議での「NGO拒否問題」について、4日午前、外務省中東アフリカ局2課の嶋守恵之・首席事務官らが、ピースボート共同代表吉岡達也ら5人と面会をおこなった。
これは、前田中外相が更迭され、川口順子氏が新外相として選ばれた、2月1日に外務省の大臣官房からピースボートに連絡が入り、外務省にて「直接会ってお話がしたい」との外務省の意向を尊重したもので、ピースボートは、当初公開質問に対する答えは、書面での回答を要求していたが、およそ1時間30分にわたって会見を行った。
その全文をテープに録音し、起こしたものをここに公開する。
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NGOピースボートが要求した「公開質問状」に対する外務省の口頭回答
日時:2002年2月4日 11:00〜12:30
場所:外務省応接室にて
出席者:
外務省側4名(中東アフリカ局中東第二課・嶋守恵之氏が回答者)
ピースボート側 5名
(前略)
[アフガニスタン復興支援会議NGO会議に出席したNGOの選定基準についてのやりとり(約40分)。答えとして「『12月のブリュッセル会議に出席したNGOのみ』、『アフガニスタンの現地のNGOを呼ぶ』、『各国が推薦するNGO』という3つの基準からNGOを選定した」という発言があり。]
[NGO会合の議長の選定についての説明があり。]
ピースボート側:(質問1を読み上げ)、これは、ほんとに何でなんですかねっていう…
シマモリ(外務省側回答、以下シマモリ):これはですね、局長はじめ、国会の場で申し上げてるとおりなんですけれども、我々も、まず大前提として、全部来ていただけるNGOに来ていただいたという会議ではなかったと。会議運営の今まで議論させていただいてきたところですけれども。それである程度の絞り込みをせざるを得なかったというのが背景にあって、その中でも特にアフガニスタンにおいて、今後政府とNGOの皆様とどういうふうな協力関係に立ちながらやっていけるかということで、そこは我々のNGOの皆様と協力しながらやっていかないと実際の復興支援活動はできないと思ってるんで、そこの総論としてはどんどん協力していきたいと。そこで、依然として、例えばカブールには国際・・・支援部隊が入ってるんで、まだカブールは安定してる。ただカブールを一歩外に踏み出すと、治安状況もものすごく悪くて、・・・?・・・死んでると。そういう今の状況にあると。従って、治安と申しますか、安全確保というのには最大限気を使わなくてはいけなくて、その観点から、我々とNGOさんと信頼関係がないと…。
特に国連の特使なんかも、そういったその治安状況に・・・?・・・NGOというのがどういう活動をしてるかというのは国連としても把握したい。ということをおっしゃっています。
そういうアフガニスタンをめぐる状況、治安にかんがみ、やはり信頼関係っていうのは非常に重要なんだということでございまして、その中で具体的には18日の朝日新聞に出た記事なんですけれども、お上の言うことは信用しないというのがあって、じゃあ我々がまさにその記事を見て思いましたのは、じゃあここは、実は我々としては危険だと認識していますと、あるいは…・、ということを申し上げても、なかなか信用してもらえないというのであれば、果たして一緒にやっていけるのかなというところがありまして、それで出席拒否という判断をしたんです。
ピースボート側:それはピースウインズジャパンについてですか。
シマモリ:そうです。あとは、ジャパン・プラットフォームについては、ただ同じ大西さんがプラットフォームのほうのNGO代表を勤められているということで、あとはもう一つは単なる考え方の問題として、ジャパンプラットフォームとしてじゃなくて、その肩の下に入ってるところのNGOに出ていただいていたものですから、その二つの理由で出席をしていただかないという判断をさせていただいたんです。
ピースボート側:その判断を中東局のほうでした…
シマモリ:いいえ、その判断自体は、我々の今やめることになりました野上事務次官まで報告をした上で、そういった判断をして…
ピースボート側:大西さんのほうのお話を聞いたんですけど、大西さんの回答は当初はこうだったんです。最初お電話がかかってきたと。ピース・ウインズジャパンとジャパンプラットフォームに関しては、今回はごめんなさいというお電話が。その10分後に、再度お電話がかかってきて、先ほどの話で、ピースウィンズジャパンは非協力的であると。それと、ジャパンプラットフォームはNGOではないということを理由に拒否をしたというふうに言ってるんです。そこはどうなんですか。
シマモリ:そこは、今申し上げました2つの理由があったんでですね、それは具体的に言うと、多分うちの課長のミヤハラが大西さんに電話をしたんだと思うんですが、最初のときは、まさに信頼関係の話しかしなかったもんですから、我々の定義としては、ジャパンプラットフォームについては先ほど申し上げた二つの理由ですね。信頼関係と、それから治安のこととしてはそうだけれども、(ジャパンプラットフォームのなかの)個々のNGOに参加いただいているという二つの理由があったもんですから、その3点で、補足説明をさせていただいたのが10分後の電話です。
ピースボート側:それはジャパンプラットフォームはNGO団体ではないんだということを理由に拒否をした。
シマモリ:それは、私は課長がどういう言葉を使ったか分かりませんけど、ジャパンプラットフォームについてはNGOの連合体であると。連合体のアンブレラ組織であるために、そのアンブレラの下の団体には出ていただくという組織で、ジャパンプラットフォームには出ていただかないということを説明したんですね。
ピースボート側:出ていただかないと。
シマモリ:そこはすいません、言葉をすべてとらえていただくと、どういうことになるか…
ピースボート側:事務局が・・・?・・・
シマモリ:ジャパンプラットフォームとしては出ていただかない。
ピースボート側:でもそれは、はじめからわかってることですよね。ジャパンプラットフォームが。初めからそういうオーガナイゼーションだということは。
シマモリ:それプラスまあ、信頼関係の話が出た。それで17日に、最終的に…
ピースボート側:ということは信頼関係の問題なんですよね。ジャパンプラットフォームも。
シマモリ:我々としては、その両方があったんだと思うんですね。信頼関係、NGO委員の代表を大西さんがやっておられるということと、それからジャパンプラットフォームっていうのは、アンブレラ組織だという…。
ピースボート側:シマモリさん、これほんとに、ぶっちゃけた話なんですけど、どう思われますか。それは記事のほうで…記事も僕は見てますけど、ものすごく答えられてるのには無理があると思うんですね。このまま1時に記者会見があるんですけど、話としても、それはそこまでの過程で、事実も・・・そういう話を大西さん自身もやってきたかとか、それがあの記事以降すべて、治安問題が理由でって言うのでは、世間は納得しないという気が非常に強くするんですね。で、それともう一つは、NGOというのをシマモリさんはどうお考えなのかなと。NGOというのは非常に多様な意見があるんですね。その多様な意見をもちながら、だけどいろんな協力関係をお互いにということであれば、当然どの・・・もそうですけど、政府と意見が違う場合はありえるわけで…それを直結して、例えば治安問題に関して言うことをきかないんじゃないかこの団体はみたいな形の単純な理解をとられるというのは、これは常識的にありえないと思うんですね。どうなんですか。
シマモリ:それは、我々に、先ほど共通した・・・って申し上げようと思ったんですが、我々は、政府に対して批判的な意見を言うから今回の会議に参加いただかなかったわけではないんですよ。我々も、批判的な意見も含めて聞きたいと思ってるんです。それは今まさに、今回のNGO会合でどういう文面をすればよかったんでしょうかということにもいろんなアドバイスをいただいて、それを批判的なご意見もあると思いますからそれはこれからは反映させていくようなことができるんだと。批判的な意見も含めて我々はお伺いしたいと思ってます。じゃなくて、今回の話はあくまで、信頼関係ということでですね、やはりアフガニスタンというあれだけのまだ不安定な状況の中で、これから一緒に活動を行って行くにあたって、信頼関係というのは大事だろうということで、その信頼関係をもとにして判断しているんで、批判的とか批判的じゃないということではないんです。
ピースボート側:でも、それは新聞を常識的に読めば、そこで意図しているものというのが、そのお互いの関係、お互いの考え方に違いがある場合もあるという意味に僕はごく自然にとれるだろうし、事実関係としても…僕はやっぱり、今みたいにいわれると、真相究明はものすごい大事だと思うんですね。シゲイエさんと大西さんの間になされたといわれている会話とですね、今おっしゃってることは全然違ってるわけですよ。で、シゲイエさんのほうは困ったという状態の中で、大西さんのほうには何とか辞退できないだろうかと。治安のことなんか何も言ってられませんよ。治安に関しては、そんなの一言言えばしまいでしょう。治安に関してはちゃんと外務省の意見を聞いてくれというだけの話じゃないかと思うんですよ。そう考えますと、で質問の2番にいきたいんですけど、何でOKなんですか。
シマモリ:そこは、事務当局として反省すべきところでですね、このところで出席を許可にした際、その判断をする際には、具体的には我々野上事務次官まで報告をして、事務次官お了承はもらっていたんですが、大臣には報告しなかったんですね。そこはまさに、大臣のご判断をうかがって、出席させるようにしなさいというご判断をいただいて、その上で再度いろいろと検討して話し合いをして、それで参加をしていただいたということなんです。ここは、そういう意味では事前に大臣には相談しなかったというのは事務局として反省すべきところなんですが、大臣のご趣旨を踏まえて、判断を変えたという話です。出席不許可ということだったのを出席していただく方向になったということです。(後にもう一度この点について追求)
ピースボート側:そのほか、質問の4番になるんですけど、質問3番に関しては先ほどかなり・・・まあこれもあるんですが、その間今いわれてる鈴木宗男議員から、圧力に近いようなものがあったと…
シマモリ:これも、うちの局長が国会で言ってるとおりなんですね。
ピースボート側:シゲイエさんは両方言ってはりますよね。うんって言って、違うって言って…
シマモリ:いや、結局違うと言ってるんですね。
ピースボート側:1回認められてますよね。
シマモリ:認めてないですね。違うと言ってますね。認めてませんので…(中断)
先ほどもありましたけれど、10日に決まったもんですから、20日までにわーっとなだれ込んで作業をしていたんですが、・・・の問題として、もっと恐らく大西さんともよくお話をすればよかったんだろうなと。我々もああいう形でぽこんと新聞記事が出てきて、そういう意味では話し合いの過程というのが足りなかったのかなということで、プロセスとしては我々も反省するところはあります。
ピースボート側:僕も大西さんよく知ってますけど、その政府見解でいかれると、どうしても大西さんがウソをついていたという、一般市民は思わざるを得ないんですけど、やっぱりそういわれていたというふうにお考え…
シマモリ:我々、大西さんが例えば記者会見のときに何をおっしゃってるかとかですね、その辺はあとのプレスの報道でしか見ないんですが、いずれにしろ、少なくとも我々の事実関係は、鈴木先生がですね…それは、鈴木先生と接触はありました。接触はあったし、こちらから、こういうだいたいの会議の日程をやりますという話もしましたし、あるいは鈴木先生から一般的な、アフガンで治安状況はなかなかまだ気をつけなきゃいけないんじゃないかというふうな意見はいただきましたけれども、特定のNGOの参加不参加に対する圧力を受けたということはありません。
ピースボート側:明らかに、ピースウインズジャパンはそうなってくると・・・・12月14日ごろですか、衆議院第一会議室で、外務官僚の方も立会いの上で鈴木宗男さんと大西さんが話されてるのがあるとか、12月18日には、これはNGOから2名と外務官僚から3名、ピースウインズジャパンを加えてですね。おられるわけですよね。この外務官僚の方っていうのは。実在されるわけですよね。そうなってきたら、ほんとに、僕らもNGOなんで、要するに大西くんを含めて、こいつら、NGOっていうのはうそつきやないかということになった場合、やっぱり活動して行く上で非常に大きな…例えばお金も集めなきゃいけない。世論もあると思うんですよ。そうしましたら、これは外務省とNGOの信頼関係どころか、やはりどこかでまさに白黒つけないと、これからNGOの活動という自体ができないくらい非常に深刻な問題だということで、僕は日本の社会自体ももっともっと理解すべきだと思いますし、それから外務省の方もほんとにそこのところをどこまで理解されてるのかなと。これはすごいスキャンダルやと思うんですよ。
ピースボート側:私も大西さんの会見にずっと出てましたし、大西さんは紳士だから記者会見の席場ではそこに立ち会ってた外務官僚の名前とか言いませんですけどね。だからシゲイエさんの名前でも、電話がかかってきたことは一切記者会見では正式に言ってないわけですよ。しかし私たちが聞いた中で、それはわかるわけですよ。知ってるわけですよ。そこに誰がいたかっていうのはね。しかも大西さんは、前の最後の記者会見では、20日から、その朝日新聞の記事がひと欄に出たっていう話じゃなくても、その数日前からある外務省の職員の方から鈴木宗男さんが日本のNGOは参加させないと言ってると。そしたら外務官僚の方が、心配しなくてもいいですよと。国際NGOを選んでいったら、日本のNGOがたまたま入ったことにしますからと言ってくれた。だからある意味では少し安心してて、その外務官僚はとてもよくしてくれたから、だからその人の名前は彼は言わないわけですよね。そこのところがどうなっているのか。
ピースボート側:ここでまさに板ばさみにあってらっしゃるわけで、それをつるし上げようとかそんなふうに思ってはいませんし、たとえ・・・・・とこちらが言っても、そこでオフィシャルに出ないことは当然あるだろうと思っております。それでそこでうなずくわけにはいかないということもあるだろうということもよくわかります。
その上でなんですが、外務省というのは本来、日本のあらゆる官庁の中でももっとも多様な意見が、多様な人材が省内になければいけない官庁なんですね。世界中を相手にするわけですから。だからこそその多様な意見は、外務省外の多様な意見とも響きあうものであってほしいし、またそういう多様な意見を省内で確保するために、省外の、政府ではない我々もまた何らかの形で、応援団というと大げさですけど、もし・・・・何かがかかっているのならば、違う多様な意見があるんじゃないか、省外でできるはずだろうと思うんです。その意味で、ここで板ばさみにあってる方をつるしあげてそれで良しとしてるつもりはまったくないんです。もちろんここで、だから実はこうだったんです、あるいはなかったんですというのは言えないだろうということもよくわかっています。
ピースボート側:でもそこは、僕はすごい原理原則が、これに関しては大事なんじゃないかなという気がするんです。政治家とは何かとか、それから官僚機構とは何かとか。例えば官僚がなくなったらいいやろうみたいなアホみたいなことを言う人がいますけど、それは事実じゃないわけですよ。官僚機構がないと大変なことになる。NGOも、じゃあNGOがいらんのかというと、NGOも必要なわけですよ。これからの国際会議とかで発言して行くためには。そしたら、この事件というのはものすごい不幸ですよね。鈴木宗男さん個人がどうなのかわからないですけど、要するにこれを放置するということは、結局もってあらゆる意味で日本の国民なり市民として、外務省に大きな失望をし、政治家にも失望し、NGOにも失望するということですよね。これはどっちかをとれば絶対はっきりするじゃないですか。大西がうそついてるのか、鈴木がウソついてるのか、外務省がウソついてるのか。それしかないんですから。どんな単純に考えても。
僕はやっぱりそこは、何らかの形ですごく、ちょっとそれで提案も持ってきてるんですけど、その真相究明を、NGOと外務省とともにやっていくと。それがその信頼をもう1回回復するひとつの、先ほど一番はじめに言われたみたいな、シマモリさんがはじめに言われたことが本当であるならば、その信頼回復のための、具体的な行動をやっぱりしていくべきなんじゃないかなと僕は思うんですよ。もしそれが大西くんのほうに誤解があるんであれば、誤解は正せばいいわけですし、それからまた、外務省さんのほうに誤解があったんであれば正すべきですよ。また、横槍が入ったものが非常に不当な横槍だったならば、それはそういうものから外務省は守られるべきだと思うんですね。
そういう意味でも、今必要なのは、国民の信頼を得るような形で、それを何らかの形で明らかにして行くということなんじゃないかなと。これは本当にシャレじゃなくて強く思うんです。
シマモリ:僕は事実関係について言うと、我々はまさに政府見解というのを出させていただいていて、その特定の政治家の意見に従ったことはないというのは、我々の中では田中前大臣も含めて意見の一致を見ているところなんです。その事実関係について言えば、我々としてはそういう認識なんです。私も含めてそういう認識です。
ピースボート側:というのはなかったということですね。鈴木さんからの圧力は。
シマモリ:接触はありましたよ。先ほども申し上げた通り接触はあったし、いろいろな、先ほど申し上げたように意見をいただいたことも事実ですけれども、特定のNGOの参加不参加について圧力がかかったというようなことはなかった。
ピースボート側:ということは、シマモリさんはこのピースウインズジャパンが言っていることというのは事実無根であるというんですね。
シマモリ:私たち外務省側の判断としてやっていることです。
ピースボート側:こういう事実があったというのはどう思われます?大西君が呼ばれて、鈴木宗男さんの事務所で外務官僚立会いのもとにこういうことがあったと事実を言ってますよね。
シマモリ:鈴木さんのところにこういう形で外務省員も入る形で、いろいろなやりとりがあったっていうのは事実だと聞いてます。ただ…、内容は確認していません。
ピースボート側:でも、この中でかわされてる会話というのは明らかに圧力ですよね。
シマモリ:その中の会話がですね、全部このままの会話だったのかどうかっていうのは私自身確認できないですし、うちの入ってた者にもちょっと聞いたんですけど、入ってた者も、必ずしも全部正確に記録をとってるわけではないんで、ちょっと確認はできていないんですが、ただこういうやりとりがまさに鈴木先生のところで、我々の同僚も入って、大西さんも入って、実際行われたということ自体はあったと。
ピースボート側:もしこの内容がそうであれば、これは圧力というか、もう脅しですよ。
ピースボート側:国会答弁で、確か小泉さんが、誰か議員の質問に、圧力がかかって、影響があって判断したのかとか。「まあそんなもんだ」とか、ちょっとわけのわからない言動をされてますよね(笑)。
シマモリ:そこは、総理は圧力という言葉は決して使われてなくて、「気にしすぎた」って言ってるんですよ。これからは鈴木宗男さんの影響力が格段に減るぞなんておっしゃって。ある程度認められてるんじゃないですか。
ピースボート側:これちょっと読んでいただいて(ピースウィンズ大西さんのメモをみせる)。こういうようなことが、これはあって……
ピースボート側:(例として、ルワンダPKOの時の話)
ピースボート側:質問の4番、5番、6番に関してはいかがですか。
シマモリ:4番が今のですね。5番のところは、先ほど申し上げたように政府の方針とは異なった、ないし政府に批判的だから今回のNGOの参加を不許可としたということではないんで。そこは今後とも、たとえ政府の方針とは異なる、ないし政府に批判的であったとしても、ここは国際会議に出席を認めることになるんだと思います。思いますという主旨は、我々中東アフリカ局でやる会議については、それは認めていこうと、認めるというかどんどん出ていただこうということで…
ピースボート側:それは、自衛隊の派兵に反対してるとか賛成してるとかそういうことも基準にはならないということですか。
シマモリ:いろんな意見をおうかがいすると。
ピースボート側:(その他、復興会議開催中にピースボートが提出した「アフガン難民の釈放・保護を求める要請書」の回答を求める)
シマモリ:6番については、NGOとの協力関係というのは、外務省としても築きたいということで、その中で情報公開というのも情報公開法に基づいてやっていますし、NGOの自主性を尊重するというのは、ある意味当然のことなんだと思います。これがNGOとの協力関係の前提なんだと思うんです。
それから、・・・・というのは、これ(6番について)は可能なんだと思いますので、もしかしたら私はこの質問にある何か、裏の背景で、今まで外務省がこういうことをしてきたんじゃないのかっていうのを読み取っていない、単純な解釈で可能だといっているだけなのかもしれませんけれども。
ピースボート側:わかりました。それで、この回答に対する文書というのはやはりいただけないのでしょうか。
シマモリ:今の段階では、我々、先ほどもありましたけれども、質問趣意書を国会議員の先生方にいただいております。そちらのほうで対応させていただいてるというのもあるんで、なかなか…それでほかのいろんなプレスの方からも、文書でいろいろご質問を受けております。
それからまさに事務的な対応というのが一つあって、なかなかできないというのと、もう一つは、恐らく今回まさに思ったことなんですが、我々は新聞記事を見て即座に判断してしまったわけですけど、そういう書面でのやりとりというのも、もちろん大事なんですけど、それもさることながら、こうやって実際にお目にかかってお話させていただいて、その中でいろんなお互いの思ってることをやっていくということが大事なのかなと思っています。
ピースボート側:先ほど信頼関係っておっしゃってましたけど、逆の信頼関係の作り方も大切だと思うんですよ、信頼関係って双方の問題ですから。やっぱりNGOと外務省とでも、今回初めてですよね。こういった形の復興会議が日本で行われて、NGOも外務省の方も一緒になってやるっていうのは。そこで出た問題を、このままお箱入りするんじゃなくて、さっき吉岡も言いましたけど、みんなが不幸な状態だと思うんですよ。鈴木さんはどうだかわかんないですけどね。外務省の現場の方なんかも、ほんとに寝ずに努力されてあの日を迎えられたと思うんですね。それが国民にも、今回の問題しか印象に残らない。・・・・協力して改善していきたいというのが主旨だと思うんです。
最後にもう一度ひとつだけ、質問の1番から2番への変化なんですけど、1番は中東アフリカ局で判断して野上次官のところで決裁されて、なぜ大臣に行かなかったのかっていう、ほんとに単純に、一国民としての質問です。あと大臣の意見で参加が認められたのであれば、大臣が更迭された今の事態っていうのはどうお考えなのか。
シマモリ:1番目の質問は我々にとっても難しいんです。というのは、すべての案件は大臣にも挙げられないんですね。そうすると大臣がパンクしますよね。我々がまさに、私レベルで決めてるものもあります。課長で決めてるものもあります。局長で決めてるものもあります。それをどこまで上げなきゃいけないかというのは、実はあとで見ると当然といわれる判断でもそのときは悩むというのがけっこうあります。それでその判断が今回は間違えてたんです。ですから、そういう意味での反省点なんですけど。
ピースボート側:間違ったっていうのは大臣に上げなかったこと。
シマモリ:大臣に上げなかったことが間違ってた。
ピースボート側:上げようと思えば上げられる…
シマモリ:それはもちろん。それはまさに我々の判断です。
ピースボート側:事務次官のところでストップがかかるってことではない。
シマモリ:ではないです。それは大臣のドアはいつも開いてますんで、大臣に上げようとすればいつでも上げられる。
ピースボート側:で、大臣が正しい判断をされた。その田中真紀子大臣が更迭されたことはどうお考えですか。大臣は正しかったんですよね。
シマモリ:それは、我々はまさにこの会議自体は、今回はこうなってしまいましたけれども、それはほんとに我々としても非常に残念ですし、会議自体はいろんな評価をされてますけれども、各国からもそれなりの日本のイニシアチブとして評価をいただいてるんですね。そういう意味では、アフガニスタン暫定政権の評価も高いですし、成功したと言ってもいいのかなと。で、今こういう事態になってしまったんで、とても成功というのはいえないと思うんですけど、もともとはそういうものだったと思ってるんです。今回の事態は非常に残念です。これはいろんな経緯があったんですが、我々として当初願っていたことは、我々の判断がそういう意味では大臣まで・・・ことになってしまって、そういう判断をしてしまったということは反省すべき点なんですが。それを、大臣の指示を得て、22日は一応正常化したと。いろんな経緯はありましたが、そのあとまた協力関係に立たせていただければと。それで、そのNGOとの協力関係が戻ってくればということを考えていたんですけれども、・・・?・・・こういうことになってしまって、我々としては非常に残念です。会議を成功させて、それでNGOさんとの協力関係に立たせていただいてと思っていたんで、そういう意味では今回このような事態になってしまったことは残念です。
ピースボート側:今振り返ってみて、このことを含めて、まったくオープンに、このような、例えば条約改定会議でもないし、軍事同盟会議でもないし、単にどれぐらい復興支援のためにお金を積むかとか、それは地球サミットだって何だってそれはそう変わらないと思うんですよ。まったくオープン、NGOとメディアに、キャパシティの問題だけで制限しなきゃいけないというのはありますが、オープンにしてもよかったとお思いですか。それともどこか秘密、クローズにしなきゃいけない理由があったんですか。
シマモリ:それは、まずすべての国際会議がオープンであるべきかどうかという点に関しては、当然クローズの会議もあるわけですね。
ピースボート側:国連の会議でも、・・・オープンにした上で、例えばどうしてもアメリカにもう1億積めというときは、担当者がワーキンググループをつくったり、夜食事をしながらとか。これはクローズにしなきゃいけない、これは秘密会議でもなんでもない。怪しい会議じゃないわけですよね。なのに、それは必要があると、ごらんになって、振り返ってですね、NGOやメディアに知られたらまずいってことはありました?
シマモリ:我々がクローズにする趣旨というのは、むしろこれが知られたらまずいというか、率直な議論ができるかできないかということなんですね。NGOとプレスさんがいる場で、政府間が率直な会議ができるかということなんです。それは日本だけじゃなくて、各国も出てくる場ですよね。各国の代表が、政府関係者以外がいる場で、どういうかということです。
ピースボート側:今回はどのような、率直な議論ができたと評価できる面もあるんですか。
シマモリ:そこは、議論は分かれると思います。
ピースボート側:特に、国連の、例えば一般・・・演説って国連総会のときにやりますよね。あれは全部オープンです。ああいうものでやればオープンにしてもいい。
ピースボート側:でも、そこがオープンになっていかないと、国民にとって何をどう応援していいのかというのが見えていかない。どういうふうに税金が使われてるのかっていうのもあるわけですから。それはちょっと見解もちょっと多分分かれるところなんですけど…。
それで、先ほど言われた最後の質問6に対するお答えなんですけど、まさにこれは文字通りのことを書いたつもりで、結局、ここに書いてある情報の公開の努力であるとか、NGOの自主性を尊重するとか民主的で下からの対話の場をどうするか、これを言葉だけじゃなくてどう具体化するかということがやっぱり問題じゃないかと思うんです。結局、具体化する過程でお互いの思いが違ってくるわけですよね。今回のこともそうだったんではないかなと思うんです。
今回、大臣も新しくなられたということで、こういう形で提案書を……同じ文面を川口大臣あてに用意させていただいたので、お渡ししたいんですけど。要するに、書いてあることは今お話してきた中で、だいたい集約的に表明されてると思うので割愛しますが、やはり真相究明に関して具体的な、誰がウソをついてるのかになってしまうわけですから、本当の真実は何だったのかというのを、国民の前、市民の前に、NGOに対して明らかにするというのが必要だと僕は思います。今後のNGOと外務省の信頼関係をもし大事にされるんであれば、ですね。
一つ提案したいのは、NGO出席拒否問題についての、合同真相究明委員会というようなものを、ぜひとも設置できないかなということです。これが2つ。それから2点目は、まさにさっきの問いの6番目になりますけど、6番目を実際に具現化して行くためにはどういうメカニズムをつくればいいのかとか、どういうふうな選択、そのNGOの参加に関するルールをつくればいいのかとか、具体的な話し合いが必要だと思うんですね。要するにズレがすごいあるわけですよ。そこからNGOに開かれた国際会議を実現するためのNGO、外務省の合同定期協議のようなもの。今のこの会議みたいなものを、継続型みたいに考えていただいてもいいと思うんです。それをぜひ共同開催という形でできないだろうかと。それから3点目は、やはりこのアフガニスタン復興支援会議で出てきた問題で、これに対して、NGO側は非常にフラストレーションがあるんですね。かかわれなかったり、何がどう決まっていってるのか、私たちの意見も聞いて欲しいと。これがやっぱり今中途半端な形で終わってしまっているという意味では、もう1度外務省とNGOの間で、合同で定期協議を、アフガンの復興支援のためにも開けないものだろうか。
(後略) |
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このリリースへのお問い合わせは...
ピースボート東京事務局(Tel:03-3363-7561)担当:中原まで |
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