4月20日 ▼ゴーギャンは何故タヒチへ向かったのか?/金丸好良(自由文筆家)
ナミビアから、「一時帰国」と称して長いオーバーランドツアーへ行っていた(?)、自由文筆家、金丸知好さんによる復帰後初めての講座。画家ゴーギャンの生涯を2回シリーズで語っていただきます。
「僕は、ゴーギャンで初めてタヒチを知ったんです。そこで、ゴーギャンが、いかにイカレた芸術家だったのかを話したいと思います。はっきり言ってこの人ヤバイ!フランスからタヒチまでなんて、むちゃくちゃ遠いんです。当時で10週間。70日ですよ。こんなに遠いのに何故行ったのか? じつは、出生に関係があるんです。
ゴーギャンは、1才から7才までペルーに住むことになり、黒人の召使いがいるボンボン生活。友達は、中国人の女の子。これもカギを説く1つです。子供の頃の経験は、のちの人間形成に影響すると言いますから。彼のタヒチ体験の基礎は南米のペルーにあるのです。ここがポイント!フランスに戻ると協調性のない放浪癖のあるちょっと変わった子供で、馴染めなかった。義務教育が終わると、ゴーギャンは見習い水夫に。海への憧れが強かったんですね。彼は何を求めていたのか?『楽園(パラダイス)』です。彼にとって、幼少時代のペルーの生活がまさに楽園だったんです。ゴーギャンは、一生この『楽園』を探し続けるのです…」
(真家)
タヒチアンの挑戦/ガブリエル・テティアラヒ(ヒティ・タウ代表)
フランス領ポリネシアの島、タヒチから乗船したガブリエルさんは、フランスの経済援助に頼らない、先住民族タヒチアンの手による持続可能な発展とともに、自分達の文化を見直すことを目的として活動するNGO「ヒティ・タウ」のリーダー。ビデオを交えての活動紹介の後は、会場から質問を受け、それに対しガブリエルさんが答える形式となりました。
「素朴な疑問なのですが、ヨーロッパの小国では、経済力の不足を補い、先進の技術を取り入れるために、EUに入りたいと願う国があります。その中で、タヒチはなぜ独立しなくてはならないのでしょうか。EUの枠組みの中で独自の文化を守り、地域の特徴を出していけばよいのでは、と思うのですが。」
「――単純に私達は自分の国籍を持ちたいのです。タヒチには、毎年3000人以上がフランス、ヨーロッパから移住してきています。このままではタヒチの先住民族が少数派になってしまいます。
欧州連合が実施している、環太平洋地域のNGOに対する支援制度があります。フィジーのような独立国のNGOはこの制度に申請することができるのですが、タヒチはフランスのNGOとみなされるため申請することができないのです。政治的な独立をすることによって他の国との外交が可能になり、今はフランス政府としか話ができないでいるタヒチのNGOのリーダーたちも、日本、アメリカ、中国などとも直接交渉をすることができるようになります。フランスの援助に頼らず、経済的に自立することは難しいと言われますが、まずはやってみることが大切です。『まずやってみて、あとから考える。あまり心配しない。』タヒチに昔から伝わる言葉です。」
(石橋)
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