「被爆70年を未来につなぐ」−第87回ピースボートが出航!

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「被爆70年を未来につなぐ」−第87回ピースボートが出航!
戦後70年となる2015年4月12日(日)に、第87回ピースボート「地球一周の船旅」が横浜港を出港しました。この船旅では、のべ1000名の参加者が、105日間にわたって世界24カ国24寄港地をめぐります。今クルーズでは中心的なプロジェクトとして、被爆者と若者(おりづるユース特使)が乗船し、核なき世界の実現を各地でアピールする「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」が実施されます。

世界24カ国24寄港地で、被爆者とユースが核廃絶と平和のメッセージを伝える

「被爆70年を未来につなぐ」−第87回ピースボートが出航!
今回で8回目となる「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」(通称、おりづるプロジェクト)。節目の年を迎えた今回は「被爆70年 − 未来へつなぐ」をテーマに掲げ、被爆者8名(広島6名・長崎2名)と「おりづるユース特使」(※)の3名の若者が乗船。世代を超えて核廃絶に向けた取り組みを世界に届けます。なお、参加被爆者とユースは、日本政府より「非核特使」または「ユース非核特使」として委嘱を受け活動します。
※「ユース非核特使」は、被爆者の高齢化が進む中、被爆の実態を次世代に伝えるため、若い世代の人々に対して日本政府の外務省が委嘱しているものです。

今回のプログラムは、世界6000以上の都市が加盟する平和首長会議と連携して証言会を行います。特に、インド、ベルギー、ドイツなどの10カ国では、「過去と今の対話プロジェクト」と題して、被爆者と子どもたちとの対話の場を設けます。参加する被爆者は当時5歳から11歳でした。それと同じ年齢の子どもたちとその親が対面し、核問題を身近な問題として感じてもらう交流を行う予定です。さらに、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)とともに核兵器禁止条約の交渉開始に向けたキャンペーンも展開していきます。

100分の1秒の差で助かった命

「被爆70年を未来につなぐ」−第87回ピースボートが出航!
出航記者会見で被爆者を代表してコメントしたのは、長崎で10歳のときに被爆した森田博滿(もりたひろみつ)さん。森田さんは、爆心地から1.8キロ地点の自宅の玄関先で被爆し、かろうじて一命をとりとめました。

「被爆70年と言われますが、我々の苦悩は70年たっても続いています。今でも、原爆が投下された後のすさまじい様子を鮮明に覚えています。私は外から家の中に入った瞬間に、爆風で吹き飛ばされました。あと一歩、あと100分の1秒違っていたら、私はこの世にいなかったかもしれません。実際、近くにいた兄は大やけどを負って亡くなりました。またその後、友人たちがバタバタ倒れていきました。私はこうした自分の体験を通じて、全世界に核兵器の悲惨さや、命の尊さを伝えて行きたいと思います。70周年の節目に、このようなプログラムに参加できて光栄です」

被爆者の命のストーリーを継承したい

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おりづるユース特使を代表して発言したのは、明治学院大学国際学部の3年生の鈴木慧南(すずきけいな)さんです。鈴木さんは、大学で所属しているサークルで、核兵器や政治の問題を勉強しています。そのサークルの活動を通して、広島と長崎を訪れるようになったと言います。

「私はサークルの活動の中で、長崎で出会った語り部の方とすごく仲良くなり、個人的にも度々訪れるようになりました。この方のために自分に何ができるかと考えるようになり、今回の応募を決めました。このプロジェクトを通して、被爆者の被爆証言だけでなく、その方々が人生を通して何を感じて生きてきたのかをお聞きし、その命のストーリーを継承できるような若者になりたいと考えています。今年は70周年ということでメディアの注目も集めていますが、これで終わりにするのではなく、70年が過ぎてからどのように伝えていけるかということも考えたいと思っています」

ピースボートに乗った被爆者は、核廃絶への思いを新たにします

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前広島平和文化センター理事長であるスティーブン・リーパーさんは、ピースボートのおりづるプロジェクトにずっと協力いただいてきました。前職にあった当時は市の立場から、現在は一市民として核廃絶に取り組まれています。リーパーさんは、今回の船旅にシンガポールまで乗船されます。

「私が広島平和文化センター理事長だった頃、主な仕事は平和首長会議の関係でした。今回はその平和首長会議と、ずっと以前から高い評価をしてきたピースボートとの共同企画ということで、たいへん期待しています。私は、ピースボートの船に乗船した被爆者が世界でいろいろな刺激を受けて、平和のために活動をしたいと積極的になって帰ってくる様子を何度も見ています。ピースボートには非常に大きな役割があると思っています」

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