第9回エッセイ大賞入賞者発表

第9回エッセイ大賞入賞者発表第9回エッセイ大賞選評第9回「旅と平和」エッセイ大賞 大賞受賞作品PEACE WALK 歩いて繋がる平和 / 濵田直翔さん2015282118●鎌田慧さん(ルポライター) まだ自分を発見できていない若者たちは多い。濱田さんも自分が不分明な若者のひとりだった。それが3・11東日本大震災、とりわけ、福島原発事故に 衝撃を受けて、ボランティア活動に参加、自分が何ができるかを考えるようになる。東三陸町でのボランティア活動から、ヒッチハイク、内モンゴルでの植林と すすんでいく。その参加の経路の説明が欲しかったが、そのあと、アメリカでのピースウオークとすすんでいく。歩く、という行為について、つぎのように書い ている。 「歩く距離は毎日20Km~30Km。普段の生活で一日ここまでの距離を歩くことは、ほぼない。歩くことには深い意味がある。嫌でも自分の身体と向 き合うことになるし、一歩一歩踏み 出し続けることが「瞑想」のようになって、自分の内面とも向き合うことになる。自分自身で、心と身体がクリアになっていくのが分かる。町の人々の表情や、 土地が持つ自然など、歩くことでしか気付けないことも、たくさんあった。 そして、一緒に歩く仲間たちは家族のような存在になる。辛い時も楽しい時も共有しながら歩くことで、深い絆で結ばれていく」。 ここには、歩くことによる発見が書かれていて、説得的だ。600キロの行進だった、という。その後も、広島、長崎、福島、沖縄と歩いた、という。歩 いて考える。この実践が主人公を成長させた。これからの行動とそこで得た知見が楽しみだ。ピースボートの旅でさらに成長してほしい。 ●伊藤千尋さん(ジャーナリスト) 濱田君の「PEACE WALK」は、いい。 ダラダラと人生を過ごしていた学生が3・11で突然、ボランティアを始めた点がまず評価できる。口先だけの人々とは違う。次が「僕たちが世界を変えられ る」という視点だ。無気力ですぐにあきらめる風潮の社会で、「できることをやってみよう」と考えた。そこで、いきなり退学したというのが驚きだ。実体験を 通して学びたいという気持ちを即、実行に移した。世間はこれを軽率だと言うだろうが、私は決断力と行動力の現れだと評価したい。それを実証するように濱田 君はヒッチハイクの旅そしてモンゴルへ、さらに脚を伸ばしてアメリカにウ … 続きを読む 第9回エッセイ大賞入賞者発表