核の非人道性に関するウィーン会議に参加しました

プロジェクト:核廃絶
核の非人道性に関するウィーン会議に参加しました(ウィーンのホーフブルク王宮で開かれた核の非人道性国際会議)
2014年12月8日から9日にかけて、オーストリア政府の主催により核兵器の非人道性に関する第3回国際会議がウィーンで開催され、ピースボートから川崎哲、セリーヌ・ナオリ、ヤスナ・バスティッチの3名が参加しました。
この会議には、158カ国政府の代表、約300人の市民やNGOの参加がありました。それに先駆けて12月6日から7日には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の呼びかけで、世界中から600人が集う市民フォーラムが開かれました。

2013年の3月ノルウェー・オスロ、2014年2月のメキシコ・ナジャリットに続く第3回目となった今回の会議は、参加国数は過去最大で、内容はこれまでの会議の集大成的なものとなりました。核戦争や核爆発の事態が起きると、無差別的な破壊や深刻な放射能被害がもたらされるだけではなく、世界規模の気候変動が起きるという長期・広範囲にわたる影響の議論がなされました。

また、誤射や事故などを含む偶発的な核爆発の危険もあると指摘されました。そしてひとたび核爆発が起きれば、緊急救援体制をとることはほぼ不可能であることが国際人道救援機関によって強調されました。これらのことが、オーストリア政府による「議長総括」としてまとめられました。

もう一つの特筆すべきことは、国際環境法・国際保健法などの国際法に照らして核兵器が議論されたことです。既存の国際法では人道性に対応しきれないということが強調されました。会議の閉会あたり、オーストリア政府は「議長総括」と並んで「オーストリアの誓約」という文書を発表しました。この「誓約」にはオーストリア政府がこれから核兵器を禁止するために他の国々や市民社会と共に行動していくという意気込みが記されています。

今回の会議での被爆国日本からの貢献としては、まずオーストリアに赴く直前に広島市からひろしま平和大使に任命されたサーロー節子さん(ピースボート第1回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」にも参加された被爆者)がご自身の経験をふまえて核兵器の禁止を求める力強いスピーチをされたことです。また、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳・事務局長も、オスロ、ナジャリット両会議に続いて被爆証言を含む訴えをおこないました。

また、広島大学名誉教授の星正治さんは核実験の影響についてコメントし、1950年代からおこなわれてきた核実験の影響の全容はまだ明らかになっていないことを指摘しました。

日本からは20名を越えるNGO参加者があり、市民フォーラムでは被爆者の証言や展示がおこなわれました。ピースボートは、核兵器廃絶日本NGO連絡会を通じて、こうした日本からのNGO、市民の参加を調整し促進する役割を果たしました。これからも、被爆者が世界に証言を伝えるおりづるプロジェクトを通じて、核の非人道性に関する認識を深め、核兵器禁止条約を求める世界の市民運動を牽引していきたいと思います。

今年4月27日からニューヨークで開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議が、この成果をさらに引き継ぐものになることを期待しています。

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