脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました

プロジェクト:脱原発 寄港地エリア:ヨーロッパ クルーズ: 第79回 地球一周の船旅
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脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました (ヴール・レ・ローズ村のソーラーファームにて)
第79回ピースボート地球一周の船旅では、エネルギーの専門家やNGOスタッフを集めた洋上脱原発会議を実施しました。
その際、フランスからスウェーデン区間のそれぞれの寄港地で、その際、フランスからデンマーク区間のそれぞれの寄港地で、関連の証言会、交流やアクションが行われました。今回は、そうした寄港地で の活動の様子を報告します。日本から参加したのは、井戸川克隆さん(前双葉町長)、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所所長)、佐藤健太さん(飯舘村出身、ふくしま会議理事)、吉岡達也(ピースボート代表)らになります。

◆ル・アーブル(フランス・5月12日)

核兵器と原発大国を保有するフランスの市民は、核に対してどう認識しているのかについて、地元の人々との意見交換会を持ちました。ピースボート側からは一般参加者を含めて50名が参加しました。

まず訪れたのは、ル・アーブルから車で約2時間、人口3000名の小さな村、ヴール・レ・ローズ村。村の入り口に設置されたソーラーファームと呼ばれる太陽光発電所では21400枚の太陽光パネルが慣れえられ、その電力により、村の電力がまかなわれていました。この計画は自治体が率先して行ったもので、ポルトガルの企業とドイツの資金投資会社が協力して設立されました。彼らは自分たちの街にクリーンな電気を供給できていることに大きな喜びと誇りを持っていると語ります。
 
その後、フランスで原発反対運動を行っている様々な団体のスタッフと意見交換会を行いました。日本側からは井戸川さんが福島第一原発事故について証言を行い、フランスの人たちに衝撃を与えました。
脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました(ヘルシンキのイベントの様子)
◆ストックホルム(スウェーデン・5月16日)

現地市民グループと共に核兵器廃絶を求めるアクションを行いました。クリスター・ウィンバック国会議員と吉岡達也ピースボート共同代表は、核兵器廃絶に向けた協力をうたった共同声明を発表。ピースボートの寄港はスウェーデンのテレビやラジオでも報道され、乗船していた長崎の被爆者のお一人が証言を語りました。
声明の内容など詳しくはコチラ
 
また、このアクションに参加した洋上会議参加者は、エネルギー問題の専門家や国会議員と意見交換を行いました。

◆サンクト・ペテルブルグ(ロシア・5月18日)

市民団体(グリーンピースロシアとベローナ)との意見交換を実施しました。テーマはエネルギー問題、原発輸出、ロシアと日本の原発の事情、チェルノブイリの経験などについてです。

◆ヘルシンキ(フィンランド・5月19日)

毎年フィンランドで行われている大規模の花見祭りに、グリーンピースフィンランドとプロ・ハンヒキヴィという市民団体と一緒に参加しま した。プロ・ハンヒキヴィは、2007 年12 月に、フィンランド北部ピュハヨキで、フィンランドの原子力企業フェンノボイマ社の新規原発建設計画によって環境が脅かされると考えた住民たちにより結成されました団体です。この原発建設計画には日本企業が関わる可能性が高いため、この団体の副会長であるハンナ・ハルメンペーさんは、2013年1月に来日して、東芝など日本企業に原発輸出を行わないよう訴えています。
脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました(タリンの記者会見の様子。左が井戸川前町長)
◆タリン(エストニア・5月20日)

ピースボートとNGO(エストニア再生エネルギー協会)と一緒に開催した記者会見で、井戸川さんから福島の現状を伝えました。 また、ロシアの原発技術者でもあるアンドレ・オザロスキーさんから「エストニア自体には原発はないが、隣国(ロシア、フィンランド、スウェーデン、フランス)の原発に事故があった場合、これだけの影響がある」と放射性物質の流れるルートや線量を示したデータを見せながら危険性を語りました。
脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました (リガでの面会の様子)
◆リガ(ラトビア・5月22日)

チェルノブイリ原発事故の際は、ソ連の一部であったラトビア。事故処理には、多くの兵士の人たちが動員されました。ここでは、そのとき被ばくした元兵士たちで作る「Latvian Union Chernobyl」という団体の方と、放射線科で多くの臨床診断をしているイェレナ医師が、井戸川さん、佐藤健太さんと面会。チェルノブイリと福島、双方の経験を共有しました。

説明によると、チェルノブイリ事故後の発電所や周辺地域の瓦礫の掃除などをさせられたがラトビアの兵士たちは、政府から放射能に関する危険性の説明は皆無だったため、素手で放射能に汚染されたものをつかんで肌がただれたり、ガンや白血病、心臓や血管の病気、精神障害などを患っているとのことでした。被害にあった人々のラトビア国内での健康診断の状況も話されました。

政府から現場への説明がないこと、放射能による心身への影響、その後の補償を得ることの困難など、福島とも共通するテーマが多く、井戸川さんや佐藤さんもたいへん参考になったと感想を語りました。

その後に開かれた記者会見では、ラトビアのテレビ局やNGO関係者、また日本語学校の校長や教師などが参加して、今回の福島第一原発の事故は世界的問題であることを再確認しました。
脱原発をテーマにヨーロッパ各地で交流を実施しました(コペンハーゲンでの交流会にて)
◆コペンハーゲン(デンマーク・5月25日)

井戸川さんと佐藤さんは、まずデンマークの洋上風力発電を見学。その後、井戸川さんは「カルチャーハウス」という場所に移動し、デン マークの人々に原発立地地域・福島の状況を説明する証言会を行いました。避難指示だけは国から来たが、その後の細かい避難経路や時期の指示はなく、放射線量がいまだ高いままなのに福島県に子どもを含めた住民が住み続けさせられていること、国内ではなかなか協力してくれる首長が少ないこと、などを説明しました。

興味深く聞いていたデンマークの人々からは、「チェルノブイリの事故から学ばなかったのか?」「日本国内でもっと一緒に協力する人はいないのか?」「ひとりの母親として感銘を受けた。井戸川さんの話を聞いて何かしたいのだが、どのように支援できるのか?」といった質問がありました。最後に井戸川さんは、「安全な人工放射能はありません。どうかみなさん仲間になって一緒にこの声を広めてください」という呼びかけを行いました。

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