民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動

プロジェクト:SDGs キャンペーン 寄港地エリア:ヨーロッパ クルーズ: 第98回 地球一周の船旅
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民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動クローロップ・ホイスコーレにて
ここでは、第98回ピースボート地球一周の船旅で訪れたデンマーク(コペンハーゲン)で行われたツアーを紹介します。

2018年6月28 日、船はコペンハーゲンに到着。参加者は、デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動について学ぶため、1日のスタディ・ツアーへと繰り出しました。

生きた世界から学ぶ

民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動ガルボ・ディアロ氏に校内を案内していただきました
フォルケホイスコーレ(北欧独自の成人教育機関)運動は、1880年代にデンマークで発生して以来、人間性とコミュニティに根ざした教育として発展を続けてきました。

決まったカリキュラムは存在せず、州ごとに独自に運営されています。各学校と教師陣が、生徒とコミュニティのニーズに合わせて、教え方や内容を選び決めているのです。

就職や商売に向けた教育ではなく、個性、批判的な思考能力(クリティカル・シンキング)、創造性、世界や周囲への注意力、そして身の回りの社会をよりよく変える力などを追求します。

「生きた世界」から学ぶ「生活のための学校」という発想です。

効果的な教育とは

民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動身振り手振りを加えて自己紹介
ツアーは、コペンハーゲンにあるクローロップ・ホイスコーレの教育者であり、NGO「クロッシング・ボーダーズ」の創設者でもあるガルバ・ディアロ氏に率いていただきました。

ディアロ氏はアフリカ西部の国モーリタニアで生まれ育ちましたが、教育を受けられる人がとても少ない環境でした。

ディアロ氏自身は十代になって初めて学校に行くことができましたが、教育内容はあまり意味がなく、学ぶ環境もひどいものでした。生徒は自分たちの民族の言葉を話すと罰を受け、暴力で指示に従わされていました。

ディアロ氏は、自身が受けたネガティブな教育体験の反動によって、効果的な教育を求める気持ちが高まり、教育の良し悪しへの感覚も鋭くなりました。

若い間にヨーロッパを旅してまわったディアロ氏は、1992年からデンマークで働き始め、7年後、イスラエルとパレスチの人々を平和構築のための教育プログラムで繋ぐ「クロッシング・ボーダーズ(境界を越えて)」を立ち上げました。

体と言葉をつかって自己表現

民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動ペアになって相手の鏡になるアクティビティ
ピースボートからの参加者は、学校の仕組みや設備だけでなく、学生たちのライフスタイルに触れることもできました。

ディアロ氏によるフォルケホイスコーレの歴史や経緯の説明を受ける前に、参加者は立ち上がって身振り手振りを加えた自己紹介を行い、教育に興味をもっている理由を説明するよう求められました。

また、説明の途中の休憩時間にも、ペアになった相手の鏡のように動いたり、全く違うところにいると仮定してストレッチや呼吸をしたりなど、創造的なアクティビティが盛り込まれました。

自分を形づくる力を実感

民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動ディアロさんと共に。左から、ロレナ・トレスさん、コノミ・ミズモトさん、ヘレナ・コラーさん。
クローロップ・ホイスコーレの3人の卒業生、ロレナ・トレスさん、ヘレナ・コラーさん、コノミ・ミズモトさんから、フォルケホイスコーレの効果や生活への影響、その後の進路への関わりについて聞くことができました。

この学校のおかげで世界の見方が変わったこと、世界のことをもっと知るというより、自身を形づくる力や権利を実感することができたという点を、3人がそろって称賛しました。

トレスさんとミズモトさんはクロッシング・ボーダーズの活動に積極的に関わり、コラーさんは東南アジアで酷使される衣料品工場労働者の擁護に携わっているそうです。

ディアロ氏は、その日からオーシャンドリーム号に乗り込み、水先案内人として、平和を育むための教育の力をテーマに船内で講演を行いました。
※当記事は、英語のリポートに基づいて編集されたものです。原文は以下のリンクからご覧ください。

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