核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜

核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜渡辺淳子さんが本船に合流された、ブラジルのリオデジャネイロにて。左から、受け入れのICANスタッフのクリスティアンさん、渡辺淳子さん、リオの通訳の方、ユースの森山景さん
南半球をめぐる第100回ピースボートの地球一周の船旅(2018年12月26日〜2019年3月31日 横浜発着)では、おりづるプロジェクトを実施しました。
「核兵器の禁止から廃絶へ 市民の力で進めよう」をテーマに、今回は在ブラジル被爆者の渡辺淳子さんがブラジルより乗船し、南米・太平洋諸国を中心に6ヶ国7寄港地で証言活動をしてきました。また、ユース特使として、広島出身の被爆三世である森山景さんが日本から乗船し、地球一周を通して船内の参加者に向けて継承を目的とした活動を行ってきました。以下、活動の一例を紹介します。

ウルグアイの副大統領と面会

核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜証言を聞いた後、渡辺淳子さんを抱きしめるルシアさん
2月13日、南米ウルグアイのモンテビデオへ寄港時、ピースボートを歓迎し来船した副大統領のルシア・トポランスキーさんと面会しました。

ウルグアイは、2018年に核兵器禁止条約を批准しています。核廃絶を訴えるICANの活動、そして被爆証言を世界に届けるおりづるプロジェクトを紹介した際には、ルシアさんは「ウルグアイが目指すところと重なります」と共感を示しました。

その後、被爆者である渡辺淳子さんがお話をしました。渡辺淳子さんは、2歳の時に広島で「黒い雨」を浴びて被爆。その事実を知らないまま、25歳の時にブラジルに渡りました。その後、38歳で日本へ里帰りした際に、両親から被爆者であることを聞かされました。

「当時の映像を見たとき衝撃を受けました。そして、母を呼ぶ子の映像が私と母であるかのように錯覚しました。私は幸運にもまだ生きています。世界にあのような悲劇が繰り返されぬよう、そして核のない世界のために証言を続けていきます」と、渡辺さんは涙ながらに伝えました。

ルシアさんは、そんな渡辺さんを優しく抱きしめ、日本訪問の際に広島と長崎を訪れた思い出を話し、また漫画や芸術などのメディアを使って過去の惨事を継承することの大切さを語りました。

同じ日に、おりづるプロジェクトのメンバーは、船を訪問したウルグアイ観光大臣とも面会し、ヒバクシャ国際署名に署名をいただきました。

アルゼンチン外務副大臣と面会

核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜アルゼンチンのダニエル・ライモンディ外務副大臣と面会
2月15日、アルゼンチンのブエノスアイレスに寄港した際、ダニエル・ライモンディ外務副大臣と面会しました。ダニエルさんはピースボートのメンバーを快く迎え、渡辺淳子さんのお話に耳を傾けました。

そして、アルゼンチンは原発の核物質を核兵器には転用をしないと宣言したことについて語りました。ピースボートからはさらに、アルゼンチンの核兵器禁止条約への署名・批准を呼びかけました。

その後、船内では船を訪れた地元の子どもたちと交流を行いました。渡辺淳子さんは原爆症で亡くなった少女、佐々木貞子さんの話をして、平和の象徴である折り鶴を一緒に折りました。子どもたちの中からは、「これから核廃絶のための運動をしたい」という声も出ていました。

チリ外務副大臣と面会

核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜チリのカロリーナ・トレス外務副大臣(中央)と、ノーベル平和賞メダルを持って記念撮影。
2月26日、チリのバルパライソに寄港した際には、外務省を訪問し、カロリーナ・トレス外務副大臣と面会しました。渡辺淳子さんは被爆証言の中で「もうこれ以上、核の被害者を出さないように死ぬまで証言活動を続けるから、一緒に核兵器を廃絶しましょう」と伝えました。

証言を聞いた後、カロリーナさんは「このような意見を直接聞くと、(核廃絶を)諦めてはいけないと感じます」と発言。南米は核兵器を持たない非核兵器地帯であり、チリが核廃絶のための集会に参加し続け、核兵器禁止条約を批准する方向で国内を調整していることを話しました。

船内でつくった演劇「女絵描きの一生2019」を上演

核兵器の禁止から廃絶へ、市民の力で進めよう 〜第100回ピースボートおりづるプロジェクト報告〜共に作品を作り上げたおりづる劇団の皆さんと
船内では、おりづるユースの森山さんが中心となって、約1000名の参加者に対して継承をテーマに様々な企画を行いました。

中でも印象的だったのが、船内で作り上げた演劇です。森山さんは普段、東京で平和や反核をテーマにした演劇をしています。その経験を活かし、船で演劇のプロジェクトを立ち上げて、総勢30名を超える参加者を巻き込んだ劇を作り上げました。

物語は「原爆の図」など、社会問題を題材にした作品を描き続けた油絵描き・丸木俊(まるき・とし)さんを主人公にした評伝劇です。戦後の暗い時代を、絵とともに強い心で生きた彼女を題材に、今回オリジナルの脚本を書きおろしました。

おりづるプロジェクトに共感して、挑戦してくれた船内の参加者と共に、森山さんの演技指導のもと練習を重ね、『女絵かきの一生 2019』と題して船内で上演しました。
このような活動と並行して、ノーベル平和賞のメダルと賞状のレプリカの展示や、核兵器禁止条約を求める「ヒバクシャ国際署名」も行いました。多くの方に核問題について考えるきっかけをつくることができました。

おりづるプロジェクトのブログには、上記以外の寄港地や船内での活動の様子も含め、多彩なレポートが掲載されています。ぜひこちらをご覧ください。

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