パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」

プロジェクト:SDGs キャンペーン 寄港地エリア:太平洋 クルーズ: 第97回 地球一周の船旅
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環境・エコ
パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
ここでは、第97回ピースボートアジアグランドクルーズで訪れたパラオで行われている環境活動についてご紹介します。今回のクルーズには、パラオの環境活動に関わる4名の若者たち乗船、参加者に向けてさまざまなレクチャーを催しました。また、パラオ訪問時にはレメンゲサウ・ジュニア大統領もお出迎えいただき、海を守るための活動をともに広げていこうと約束しました。

環境活動を広めるパラオの若者たちが乗船

パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
「現地の方々から世界が抱えている問題を学ぶことは、ピースボートの教育プログラムの核心です」とピースボート共同代表の吉岡達也は言います。

第97回アジアクルーズではこの言葉を胸に、横浜でパラオの4人の若者を招待して、パラオまでともに航行しました。彼らは、気候変動の影響を最前線で目の当たりにしている小さな島々の環境活動のリーダーで、『海洋と気候変動ユースアンバサダー・プログラム』のメンバーとして参加しました。

乗船したのは、ニッキー・ウエハラさん、シャンダル・C.Y.・ウィリアムズさん、ビル・ジャスマー・トニー・ニラルサオルさん、そしてイセチャル・二トンさんの4名。

彼らは他の乗船者たちと異文化交流や母国の紹介、そして海を含める自然環境の崩壊に関して行動をとることがいかに大切であるかを共有しました。

観光客を受け入れながら、環境を守る

パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
パラオ本島の北に位置する、200人あまりのコミュニティーで農業を営むイセチャルさんは、「僕らの国のことを知っている人は多くないけど、パラオではみんながみんなを知っているんだ」と話します。

パラオは約340ほどの島々で形成されています。人口は全部で2万人程度で、大きな家族のような国ですが、来訪者とも島で共存しているといえるでしょう。主要産業は観光業で、毎年10万人の観光客を迎え入れています。

パラオは、1947年から、自治権を獲得する1994年まで、米国の太平洋諸島信託統治領でした。94年に独立することができた背景には、観光業で経済が活性化し、援助に頼らなくても自立できるようになったからです。

トミー・レメンゲサウ・ジュニア大統領は、観光業を営み続けるながらも、観光客による環境被害を制限することが課題だと感じています。大統領は、「我々の島の環境を保つことは、我々の経済成長へと繋がる」と語っています。

環境保護は生活の一部

パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
観光客による環境破壊は、廃棄物の不法投棄や汚染、海洋資源の乱用、美しく繊細である珊瑚の破壊など多岐にわたります。

ピースボート洋上でパラオの若者たちは、観光客がパラオの環境にどれだけ負担をかけているかを知ってもらうため、講義やディスカッションの場を幾度となく企画しました。

被害は、珊瑚白化や干ばつ、海水レベルの上昇と相まって、主食であるタロ芋畑に洪水被害をもたらしていることも訴えました。

ピースボートンの参加者は、パラオの人々がすでに、できる限りの活動を実践していることを学びました。世界で初めての鮫保護区を制定し、海域の8割は保護区となっているなど、パラオは環境保護に関する取り組みを率先して行っています。

海洋学者であるビル・トニーさんは、パラオの人々が幼いころから海洋環境が神聖で繊細だと教わることを考えれば、この驚くべき取り組みも自然な流れだと考察します。「環境保護は、私たちが育つ中で生活の一部だった」とトニーさんは語りました。

パラオ宣誓

パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
そういった背景から、NGO団体の活動がきっかけとなり、パラオを訪れる観光客が他では見られな貴重な自然環境を大切にしてくれるようにと、『パラオ・プレッジ』(Palau Pledge/パラオ誓約)が制定されました。

パラオ・プレッジは、パラオの若者も参加して書き上げられた誓約文に対し、すべての観光客が島に到着する際署名をするものです。

「足運びは慎重に、行動には思いやりを、探索には配慮を忘れません」、そして「自然に消える以外の痕跡は残しません」という文言が含まれています。この誓約への署名は実践的で力強い象徴ともなる行動です。

パラオの若者たちからの学びを経て、2018年3月15日のパラオ寄港に先立ち、第97回ピースボートのすべての乗船者はパラオ誓約に署名しました。

パラオ大統領も国際的な応援を呼びかけ

パラオ・若者が世界に広げる「パラオ誓約」
「若い方々の声も含めて、こんなに素晴らしい取り組みが行われてるなんて感動しました。パラオ誓約に喜んで署名をします」と、乗船者の女性は感銘を受けたと言います。

別の乗船者の女性は、日本もこのような施策を取り入れるべきだと考え、「日本がパラオと団結して同じ取り組みをしてほしいですね」とコメントをしました。

レメンゲサウ・ジュニア大統領は、パラオのコロール沖に錨泊したピースボートを訪問して若者たちの帰国を歓迎し、「規模は小さくとも大きな意味のあるパラオ・プレッジのような取り組みには、国際的な応援が重要です」とピースボートの活動に敬意を表しました。

ニッキー・ウエハラさんは、「パラオだけでは、この活動はできません。ピースボートと、97回クルーズの乗船者のみなさんの応援を受けて、数え切れない次世代の若者たちと、かけがえのないパラオの自然のすばらしさを共有できることを心から願ってやみません」と話しました。

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