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オバマ大統領の来日にあたり、 核兵器廃絶への日米の協力を呼びかけるピースボート声明

 本日バラク・オバマ・アメリカ合衆国大統領が来日されるにあたり、ピースボートは、日米両国の政府と市民社会が核廃絶に向けた協力を一層深め、取り組みを加速させることを呼びかけます。
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 本日バラク・オバマ・アメリカ合衆国大統領が来日されるにあたり、ピースボートは、日米両国の政府と市民社会が核廃絶に向けた協力を一層深め、取り組みを加速させることを呼びかけます。
 オバマ大統領は、今年4月のプラハ演説において、「核兵器のない世界」に向けて行動すると宣言しました。このビジョンが評価され、大統領はノーベル平和 賞を受賞しました。ピースボートは、この受賞を祝福します。そして、この平和賞は、核廃絶に向けて行動しようという世界中の人々への呼びかけであると考え ます。私たちはこの呼びかけにこたえて、世界の政府、政治家、市長、NGOその他多くの人々と手を携えて行動していきたいと思います。

 ピースボートは、昨年より広島・長崎のヒバクシャたちとともに「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」プロジェクトに取り組んでいます。世界に原爆被害の証言を伝えるなかで、私たちは、世界の市民が核の危険について日に日に関心を高めているこ とを実感してきました。国際的機運が高まっている今、核被害の実相を知る市民たちが声を上げ、核廃絶を主導していく必要があります。私たちは、国境をこ え、世代を超えて、この取り組みに力を入れていきたいと考えています。

 しかし、政府レベルの努力はこれまで決して十分ではありませんでした。世界最強の核戦力を有するアメリカは、核戦略の見直しを行っていますが、どのくら い実質的な核軍縮措置となるかは楽観を許しません。日本政府はこれまで、安全保障のためにアメリカの核兵器に依存する政策をとっており、アメリカの核軍縮 にブレーキをかけるような言動をくり返してきました。しかしこのような言動は、ヒバクシャを含む日本の市民社会の意見を真に代表するものではありません。 日本の政権が交代したこの機に、私たちはあらためて、ヒバクシャが経験した惨劇をくり返してはならないという決意と、核兵器の完全な廃絶こそがそれを達成 する唯一の道であることを明らかにしたいと思います。

 核兵器は平和や安全をもたらしません。核兵器がもたらすのは、破壊、苦痛、恐怖以外の何ものでもありません。原爆の苦しみの上に平和憲法を手にした私たちは、「武力によらずに平和をつくる」という理念に立脚して、核のない平和な世界を築いていくことを決意しています。

 私たちは、以下の通り呼びかけます。

アメリカ政府は、核兵器のない世界への取り組みを一層強め、核戦略の見直しにおいて、核兵器の廃絶につながるような軍縮措置をとること。
日本政府は、アメリカの核軍縮への抵抗を止め、安全保障における核兵器への依存から脱却する措置をとること。
日米両政府は、核兵器を包括的に禁止し廃棄する「核兵器禁止条約」の交渉開始に向けて行動を始めること。
日本のヒバクシャと世界中の核や暴力の被害者たちの連帯をすすめよう。国境や世代を超えて連携し、日本国憲法9条の理念である「武力によらない平和」を実現しよう。


2009年11月13日
ピースボート