核兵器禁止条約の交渉会議に参加しました

プロジェクト:核廃絶
核兵器禁止条約の交渉会議に参加しました核兵器禁止条約の交渉会議の冒頭で発言する日本被団協の藤森俊希事務局次長(2017年3月27日)
核兵器を全面的に禁止する条約を交渉する会議が、3月27日にニューヨーク国連本部で始まりました。ピースボートはこの会議に代表を派遣し、被爆者が発言することをサポートしたり、NGOとして独自の提言を発表するなどしました。交渉会議の第一会期は3月31日に終わりましたが、第二会期が6月15日に始まります。ピースボートは第二会期にも、おりづるプロジェクトの被爆者代表団を派遣するなど、条約成立まで最大限の関与を続けていきます。

被爆者の発言をサポート

核兵器禁止条約の交渉会議に参加しました核兵器禁止条約交渉会議で発言するオーストラリアの核実験被害者スー・コールマンさん(左)と広島被爆者のサーロー・節子さん
核兵器禁止条約の交渉は、過去数年間にわたる「核兵器の非人道性」に関する国際的な議論を土台にして始まったものです。ピースボートはこれまでも、「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」(おりづるプロジェクト)を通じて、核兵器の非人道性を当事者の生の証言という形で世界に伝えてきました。それと並行するように、核兵器の非人道性に関する国際共同声明や国際会議が積み重ねられ、昨年末の国連決議によって交渉が開始されたものです。

議長をつとめるコスタリカ政府の意向もあり、禁止条約交渉会議では、冒頭で被爆者を代表し藤森俊希・日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長が発言しました。ピースボートは、この発言の実現のための連絡・調整にあたったほか、スタッフの畠山澄子が国連総会会議場で藤森さんの発言を同時通訳しました。その後も、広島で被爆したカナダ在住のサーロー節子さん、オーストラリアの核実験被害者・スー・コールマン・ヘイゼルダインさんがそれぞれの立場から核兵器の非人道性と核兵器禁止の必要性を訴えました。ピースボートは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の一員として、これら被害者の発言をサポートしました。

強力な核兵器禁止条約を求めて

核兵器禁止条約の交渉会議に参加しました核兵器禁止条約交渉会議でNGOとして発言する川崎哲(右)
ピースボートからは、川崎哲が3月会期の一週間にわたり会議に参加しました。川崎は、交渉4日目と5日目にピースボートまた核兵器廃絶日本NGO連絡会として発言をし、「強力な核兵器禁止条約」を早期に成立させる必要性を訴えました。具体的には、核兵器禁止条約は核兵器の惨禍を経験しその廃絶に向けて尽力されてきたヒバクシャに関する明確な言及をし、核兵器の使用をいかなる状況下でも禁止する明確なものであるべきで、条約制定後に核保有国や「核の傘」に依存している国々を巻き込んでいくメカニズムをもつものであるべきだ、という内容です。

とりわけ、核の非人道性と「ノーモア・ヒバクシャ」の訴えを明確に反映すべきだという主張は多くの国から賛同されました。多くの国々が、核兵器の非人道性に立脚し、国際人道法のモデルで条約を策定すべきであるとしました。条約推進国の一つであるオーストリアは「ヒバクシャ」に対する言及をすべきであると述べました。

第一会期終了後、ピースボートは、これらの内容に加えて、保障措置、検証、執行力などにも言及した「強力な核兵器禁止条約」に関する作業文書を国連に提出しました。文書は、正式なNGOの提出文書の一つとして各国に回覧されています(下からダウンロードできます)。

ICANで世界中の人たちとつながる

核兵器禁止条約の交渉会議に参加しました核兵器禁止条約交渉に集まったICANのメンバーら。折鶴は世界共通のシンボル
ピースボートは核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営グループに参加するパートナー団体として、世界中のNGOと連携してこの運動を進めています。禁止条約交渉の直前にニューヨークで開催されたICANのキャンペーナー会議に積極的に参加したほか、第一会期の最終日(3月31日)には、ICANがメキシコやアイルランド政府、赤十字国際委員会の代表らを招いたサイドイベントを川崎哲が司会しました。ピースボートはまた、核兵器廃絶日本NGO連絡会を通じて、日本のNGO間の連携にも力を注いでいます。

6月15日から7月7日にかけて行われる第二会期では、第94回ピースボートでおりづるプロジェクトに参加している被爆者代表団をニューヨークに派遣し、国連本部の内外で証言会などを実施する予定です。早ければ会期末の7月7日には条約の完成が見込まれており、ピースボートは「強力な核兵器禁止条約」の実現に向け、このプロセスを全力で応援していく予定です。

メディアでも注目されています

核兵器禁止条約の交渉会議に参加しましたICANが開催したサイドイベントで発言するメキシコのロモナコ大使(中央)。左から二人目は川崎哲
核兵器禁止条約交渉とそのなかでの被爆者やNGOの役割は、多くのメディアで注目され、報道されています。ピースボートやICANの取り組みが報じられただけでも、以下のような報道があります。

◆朝日新聞
2017年3月22日(広島版) 「核なき世界」進むのか 「被爆者の思い忘れるな」 ICAN国際運営委員・川崎哲さん
2017年3月23日 核兵器禁止条約、日本の交渉参加を 被爆者ら会見で訴え

◆毎日新聞
2017年4月2日 核禁止条約会議 保有国への対応課題 7月採択へ
2017年3月28日 核兵器禁止条約 日本「実効性ない」演説 交渉不参加表明
The Mainichi, March 28, 2017, Japan says it will not take part in nuclear ban treaty talks without nuclear powers

◆Nikkei Asian Review
March 29, 2017, Atomic bomb survivor blasts Japan for skipping UN talks

◆中国新聞
2017年4月1日 [核なき世界への鍵] 禁止条約 7月に成案 議長「達成可能 楽観視」
2017年3月29日 社説 核兵器禁止条約と日本 不参加に深く失望する

◆中日・東京新聞
2017年4月2日 核兵器禁止条約交渉 参加2氏に聞く 川崎・ICAN運営委員 「ノーモア被爆者条約」
2017年3月29日 日本、核禁止交渉に不参加 核戦力拡大目指す米政権誕生が影響

◆共同通信
2017年03月31日 禁止条約「被爆者」言及を 国連でピースボート代表 
2017年03月27日 保有国、核戦力拡大の動き 日本配備の懸念の声も 

◆NHK
2017年4月1日 核兵器禁止条約 次回の交渉で採択目指す

◆週刊NY生活 
2017年4月1日 核兵器禁止条約交渉会議 被爆者が国連で演説

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