「言葉に続く行動を 核のない世界へ」オバマ大統領の広島訪問を受けて声明を出しました

プロジェクト:核廃絶
「言葉に続く行動を 核のない世界へ」オバマ大統領の広島訪問を受けて声明を出しましたICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞!
5月27日にバラク・オバマ氏が米国大統領として初めて広島を訪問しました。ピースボートは、原爆被爆者の皆さんと共に核なき世界を作るための活動をしてきた市民団体として、声明「言葉に続く行動を ~核のない世界へ ヒバクシャと共に」を発表しました。以下、声明全文です。

声明:言葉に続く行動を ~核のない世界へ ヒバクシャと共に~

「言葉に続く行動を 核のない世界へ」オバマ大統領の広島訪問を受けて声明を出しました
 5月27日、バラク・オバマ氏が米国の現職大統領として初めて広島を訪問し、ごく短時間で限られた形ではありましたが、被爆者と対面しました。大統領が被爆者の生の声を聞くことは、被爆者団体をはじめ、ピースボートや国内外の多くの市民団体が訪問に先立ち要請してきたことです。それが実現したのは、歴史的なできごとでした。
 核兵器を使用した唯一の国であり今日世界最大数の核兵器を配備する国の大統領が、核兵器の被害者に向き合う姿勢を示したことは、賞賛されるべきことです。私たちはまた、この訪問の実現のために長い間努力されてきた被爆者や広島・長崎の皆さん、日米両政府および関係諸団体のご努力に敬意を表したいと思います。

 オバマ大統領が平和記念公園で行った演説は、「核兵器のない世界」という目標を再び世界に喚起しました。しかし、核兵器の廃絶に向けてはきわめて不十分な内容であったことを指摘しなければなりません。
 オバマ大統領は、米国が原爆を投下したことによって20万人以上もの人々が命を奪われたという基本的事実やそのことに対する米国の責任に言及しませんでした。さらに、「私が生きているうちには無理かもしれない」とも述べ、核軍縮の具体策についてはまったく触れませんでした。

 ピースボートは「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」プロジェクトを通じて、これまでに160名以上の原爆被爆者の皆さんと世界中を回り、核の被害の実相を伝えてきました。いま平均年齢80歳をこえる被爆者の多くは「自分たちが生きている間に核兵器廃絶への明確な道筋をつけてほしい」と訴えておられます。
 それは、けっして不可能なことではありません。被爆者の皆さんの努力のかいもあり、近年、核兵器の非人道性に対する国際的な認識が高まり、かつてない核兵器禁止への機運が高まっています。今年2月からはジュネーブで核兵器禁止に向けた法的措置を議論する初めての国連作業部会が開かれており、120以上の国々が核兵器禁止条約の交渉開始を求めています。しかし、米国は他の核保有国と共にこの作業部会をボイコットしており、日本は核兵器禁止条約の交渉開始に反対しています。
 オバマ大統領や安倍首相が「核兵器のない世界」という目標を本気で語っているのだとすれば、米国と日本の両政府は現在の政策を転換し、核兵器禁止条約の交渉に直ちに参加すべきです。

 オバマ大統領の広島での演説は、人類にとっての戦争の歴史を振り返るものでもありました。原爆によって日本人だけでなく朝鮮半島からの人々や米兵捕虜も被害者となったことにも言及がありました。
 核の被害に国境線はなく、戦勝国であれ敗戦国であれ犠牲となるのは圧倒的多数の一般市民です。これはピースボートが30年以上にわたり国際交流の船旅を続ける中で、まさに実感を重ねてきたことです。だからこそ私たちは、武力によらずに平和を作るという憲法9条の精神を世界に広げる活動を進めてきました。

 核兵器をなくし、戦争をくり返さない。オバマ大統領の演説にはそのことを示唆するいくつかの言葉もありました。しかしそれらの言葉は、具体的な行動に移されなければなりません。
 ピースボートは、被爆71年を迎える今年8月、被爆者、被爆2世らと共に9回目の「証言の航海」を出港させ、国連総会の開かれる10月にニューヨークに寄港します。そして、原爆被害の実相を多くの米国市民や世界中の人々に直接伝えます。
 戦争の被害者が声を上げ、市民が国境を越えてつながり行動することによって、国際政治を動かすことができます。私たちはそのような活動を進めつつ、日米両政府に対して、軍事協力の拡大や基地の固定化ではなく、核兵器廃絶と人間の安全保障に向けた真の平和協力を進めることを求めます。

2016年6月1日
NGO ピースボート

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