オバマ大統領の広島訪問に合わせ、核兵器禁止条約の交渉開始を呼びかけます

プロジェクト:核廃絶
オバマ大統領の広島訪問に合わせ、核兵器禁止条約の交渉開始を呼びかけます
5月27日、オバマ大統領が現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪ねます。これに合わせてピースボートは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)と連携し、国内外のNGO・市民と共に、一刻も早い核兵器禁止条約の交渉開始を求め、日本と米国政府にその交渉プロセスへの参加を要請していきます。

日本NGO連絡会による記者会見とシンポジウム

オバマ大統領の広島訪問に合わせ、核兵器禁止条約の交渉開始を呼びかけます2016年4月30日、ジュネーブで開かれたICANのキャンペーン会議
オバマ大統領の広島訪問が発表されたとき、ジュネーブの国連本部では、核兵器廃絶に向けた法的措置を議論する作業部会が開かれており、ピースボートは国連との特別協議資格をもつNGOとしてここに参加していました。作業部会では核兵器禁止条約を作るための議論が活発化しており、来年にも交渉開始を求める声が明らかに多数派になっています。しかし米国など核保有国はこの議論をボイコットしており、日本など「核の傘」に頼る国々もきわめて消極的です。

5月24日(火)、ピースボートは核兵器廃絶日本NGO連絡会の参加諸団体とともに、日米両政府に対して核兵器廃絶への取り組みを強めるよう要請書を提出し、参議院議員会館内で共同記者会見を行いました。その様子はNHK、朝日新聞、共同通信などによって広く報道されました。

5月27日(金)には、核兵器廃絶日本NGO連絡会と核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の共催による市民シンポジウム「核兵器廃絶への一歩となるか否か オバマ大統領の来広の意味を問う」が開催され(18:00~広島県立総合体育館 中会議室)、ピースボートの川崎哲がパネリストとして発言します。詳しくは、本記事末尾のリンクからご覧ください。

また5月25日(水)には、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は以下のようなプレスリリースを発しました。

ICAN声明:「オバマ大統領、核兵器を近代化しながら広島を訪問へ」

オバマ大統領の広島訪問に合わせ、核兵器禁止条約の交渉開始を呼びかけますコトバだけじゃダメ! 核兵器の禁止を (ICAN)
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)プレスリリース(2016年5月25日)

まもなくオバマ大統領が広島を訪問します。一度の核爆発によって14万人もの命が奪われた土地に米国大統領が訪問することは歴史的なことです。しかし米国政府はこれと時を同じくして、核兵器の近代化に乗り出そうとしています。1兆ドルもがつぎ込まれるこの核兵器の近代化は、米国が今後も数十年にわたって核武装を続けることを意味します。

オバマ政権は、より小型でより正確に標的を定められる新型の核ミサイル開発に取り組んでいると報じられています。これはつまり「より使える」核兵器の開発です。同政権はまた、核兵器の国際的な禁止に関する交渉にむけた取り組みをすべてボイコットしてきました。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の事務局長ベアトリス・フィン氏は「オバマ大統領は、核爆発のリスクが冷戦後もっとも高まった時期に広島を訪問することになった」と語ります。フィン氏はさらに「オバマ大統領が核兵器に関して本当の意味での変化をもたらしてくれると期待した人たちにとって、米国の過去7年間の核政策、とりわけ核兵器禁止に向けての新たなプロセスのボイコットは残念としかいいようがない」と言います。

オバマ大統領は2009年のプラハ演説で「冷戦思考に終わりを告げ」るとし、米国と同盟国の安全保障戦略における核兵器の役割を小さくするとしました。しかしそれは、実際の行動を伴わないものとなりました。核保有国、そして米国の核の傘に頼る国々は、軍縮を約束したにもかかわらずいまだに核兵器に深く依存しています。

オバマ大統領は安倍首相に迎えられて広島を訪問することになりますが、核兵器に関して偽善的な態度をとる安倍首相も日本国内では厳しい批判を浴びています。安倍首相は核軍縮を掲げる一方で米国の核兵器に頼る政策をとり、また核兵器を禁止する新たな条約を進めていくことに反対してきました。

非核保有国が推し進める核兵器禁止に向けての動きが大きくなるなか、オバマ政権はこの「人道の誓約」には賛同せずにいます。5月はじめ、国連総会が設置した核軍縮のための法的措置に関する国連作業部会が開かれましたが、米国はこれをボイコットしています。日本は国連での議論に参加はしたものの、核兵器に依存することは国家の安全保障のために必要だとして、部会での議論では禁止にむけた交渉のプロセスを始めること自体に反対しました。しかし、米国やその他の核保有国のボイコットがあったにもかかわらず世界の過半数の国々は核兵器を禁止するための新たな条約に向けた交渉を始めようとしています。

ピースボートの川崎哲氏は「5月のジュネーブでの国連会議を欠席、あるいはそこで否定的な態度をとっておきながら、日米が核兵器のない世界を掲げるのは非常に皮肉なことである」と言います。「日米両国の指導者が核軍縮に真剣に取り組むつもりがあるのであれば、なぜ核兵器禁止を促す国際的な動きに賛同しようとしないのか」と川崎氏は問い、「広島への訪問だけでは十分ではない。注目すべきは核兵器を禁止する新たな法的文書をつくろうという国際的なプロセスを日本と米国が支持するかどうかだ」と語りました。

「プラハでのスピーチのあと、オバマ大統領は世界の核軍縮を主導していく機会を失った。たしかに米国大統領が広島を訪問するのは初めてである。しかし、本当の核軍縮に向けた動きは『人道の誓約』に賛同した120以上の非核保有国がうみだしていると言える」とベアトリス・フィン氏は結びました。

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