ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナン

寄港地エリア:アジア クルーズ: 第90回 地球一周の船旅
関連キーワード:
子ども
ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナンストリートチルドレンの施設にて、ピースボート参加者が子ども達にけん玉を紹介している様子
ここでは、第90回ピースボート地球一周の船旅で訪れたダナンで、子ども支援施設を訪問したプログラムの様子を紹介します。

経済成長の影で見捨てられる子どもたち

ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナンベトナム赤十字の職業訓練施設にて。障害をもった若者達がお香の作り方を学んでいる。
ベトナムの生活水準は、20年前に比べると格段に向上したと言われています。しかし、急激な経済成長にともなう都市化と同時に、貧富の格差が広がり、仕事を求めて農村から都市部へと人々が流入するなど、ベトナム社会に新たなひずみを生んでいるという事実もあります。

ユニセフ(国連児童基金)によると、失業や家庭崩壊、犯罪が増え、伝統的な価値感が失われたことで、育児放棄や虐待、搾取などに苦しむ子どもたちが増加していると位置づけています。ベトナム政府は2010年、国内の子どもの18%にあたる430万人以上が「特別な環境」に置かれていると発表しました。

そんなベトナムでは、子どもたちの生活を助ける団体も数多く存在しています。2015年12月25日にダナンに寄港したピースボート第90回クルーズの参加者は、交流プログラムの一環として、若者のための職業訓練施設とストリートチルドレンが集まる施設を訪問しました。

若者向けの職業訓練

ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナン毎年50人以上の障害をもった子ども達に職業訓練と食事を無料で提供している。
まず、赤十字のダナン職業訓練施設を訪れました。ここは、ダナン市と隣のクワンナム省に住む障害をもった若者たちが無料で職業訓練を受けることができる施設です。

施設のマネージャーであるレ・タン・ホンさんは「障害をもつ子どもたちの健康状態や必要としているものに対して、家族が十分に配慮できていないことがよくあります。自身の子どもに特別支援が必要であることに気づいていないのです。もしくは、どこで支援を受けられるのかを知らなかったり、知っていてもアクセスできなかったりという状況です」と説明してくれました。

この施設では毎年50人以上の子どもたちに職業訓練と住居を提供しています。裁縫や刺繍、版画の訓練を受け、高いレベルの技術を身につけた生徒は、工場で働くことができます。通勤手段のない生徒は、同施設で仕事を得ることができます。この職業訓練施設の運営は外部団体と個人の寄付によってまかなわれており、先生やアシスタントとして数ヶ月単位で働くボランティアも受け入れています。

彼らには支えが必要

ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナン5歳から18歳までの子ども達が、ダナン・ストリートチルドレン・プログラム(SCP)が運営する4つの家で生活している。
その後、ピースボートの参加者は「ダナン・ストリートチルドレン・プログラム(SCP)」が運営する4つの子どもの家のひとつを訪れました。今回訪問した家は、1997年に開設されたもので、これまでにダナン周辺の25人の子どもたちの生活を支えてきました。

SCPのマネージャーであるパム・シ・マンさんは言います。「ここに住む多くの子どもたちは親をなくしたり、家がなかったり、家庭内暴力の被害にあってきた子どもたちです。彼らに必要なのは支えです。都市部の路上で生活をする子どもたちはもともと農村部から来ていることが多く、経済的な理由で家を出ています。両親がいない子どもたちは誰よりも支えを必要としているのです」。

ベトナム戦争の影響も

ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナンピースボートは2002年からダナンのストリートチルドレンプログラムを支援している。
SCPは、急激な経済成長と貧富の格差の拡大に伴って大勢の子どもたちが路上での生活を強いられたこと受けて、1991年に設立されました。貧困の原因の一つとして、ベトナム戦争の影響が40年たった今でも残っていることも忘れてはいけません。戦争で肉親を失った人々や、枯れ葉剤の後遺症をもって生まれてきている子どもたちが、いまも多数いるのです。

これまで、SCPは750人以上の子どもたちに対し、学校に行く機会を与え、家族やコミュニティーから支援を得られるようにしてきました。現在、5歳から18歳までの子どもたちが4つの家で生活しながら、食事、衣服、医療、教育、年齢などによって分けられて職業訓練を受けています。

ピースボートでは、2002年からSCPを訪問・支援しています。今回の訪問では、UPA国際協力プロジェクトとして、日本で集めたノートや文房具を届けました。

ストリートチルドレンとの交流を通じて

ベトナムのストリートチルドレンについて学ぶ ー ダナンダナン・ストリートチルドレン・プログラムのマネージャー、パム・シ・マンさん
けん玉や折り紙、浴衣の着付けや、いろいろなゲームを通して、ピースボート参加者は子どもたちと交流しました。言葉の壁はあっても、共に昼食を食べ、少し特別なクリスマスのランチをみんなで楽しみました。

参加したキョウコさんは「ここにいる子どもたちと出会い、彼らの生活を垣間みることができて良かったです。彼らは一つの家族で、幸せに暮らしているのがわかります」と感じました。

また米国から参加しているエレンさんは、ダナンで路上生活をする子どもたちが日々減っていることを知り、嬉しく感じたと言います。「ベトナムには以前来たことがありますが、都市化しているのを見て取ることができます。そこに生まれる経済格差の中で、恵まれていない人々を助けるこのような団体があることが非常に重要だと思います」と感想を述べました。
※当記事は、英語のリポートに基づいて編集されたものです。原文は以下のリンクからご覧ください。

インフォメーション

ピースボートの船旅
VOYAGES
機会に満ちている
山下泰昭
被爆者
もっと見る
山下泰昭