インドから日印原子力協定締結へ反対の声を政府へ届けました

プロジェクト:脱原発
インドから日印原子力協定締結へ反対の声を政府へ届けました議員会館にて外務省職員へ現地の状況を説明
現在、日本政府は原子力発電所をインドへ輸出するため、インド政府と日印原子力協定の締結を目指しています。この動きに対して、インドでは同協定の締結を行わないよう求める声が生まれています。この度、インドの市民団体が急遽来日し、日本政府や国会議員、市民に対して日印原子力締結へ反対の声を届けました。
今回来日したのは、マハラシュトラ州コンカン地域で23年間以上にわたって活動しているインド草の根運動の指導者であるヴァイシャリ・パティル博士(Dr.Vaishali Patil)と、インド核軍縮平和連合のクマール・スンダラム氏(Kumar Sundaram)です。

ピースボートは、他の市民団体とともに「インドへの原発輸出反対、日印原子力協定阻止キャンペーン」を行っており、今回の市民団体来日もこのキャンペーンの一環として実施されました。

原発建設により自分たちの土地を追い出される住民

インドから日印原子力協定締結へ反対の声を政府へ届けました多くの住民が反対する事情を訴えるヴァイシャリ・パティル博士
11月25日、ヴァイシャリ・パティル博士とクマール・スンダラム氏は衆参両議員会館にて国会議員や外務省職員と面談し、日本で知られていない現地の状況を説明しました。この中でヴァイシャリ・パティル博士は、「世界でも有数の生態系が残されているマハラシュトラ州コンカン地方で、15基の石炭火力発電所の建設と、6つの原子炉を持つ原子力発電所の建設が計画されています。この地域は地震多発地帯であり、ここ20年間にマグニチュード3〜6.3の地震が93回以上も確認されています。この大規模開発により、5つの村、約4,000人の住民の土地が強制収用されました。また、この地域で漁業を行っている約50,000人の漁民は、今後原発から流される5,200万m3という膨大な温排水によりその生計を奪われることになるでしょう。そして、多くの住民がこの原発建設に強く反対しています」と現地の状況を説明しました。この説明を受けた外務省職員から、インドからの生の声は初めて聞いたという意見が出されました。

日印原子力協定はインドの核拡散に手を貸すことになる

インドから日印原子力協定締結へ反対の声を政府へ届けました市民集会でインドの核拡散の危険性を説明するクマール・スンダラム氏
11月25日の夜には市民向けの学習会を行いました。この中でクマール・スンダラム氏は、「インドは植民地からの独立前の1945年から核の研究を開始しており、1962年に原子力法が成立し、国家の安全の問題と称して核関連の情報は完全に隠されることになった。そして、1974年にインドは最初の核実験を行った。しかし、この核実験は平和のための原子力という名目で西欧諸国から得た材料を利用していたため、世界的に厳しい通商禁止を科せられた。今回日印原子力協定が結ばれたら、将来的にインドの核拡散に日本は手を貸す形になる」と、核拡散の視点から同協定の問題点を指摘しました。
同氏はこれまで、今年3月10日に東京で行われた「脱原発でつながる日本と世界」、13日に福島で行われた「市民が伝える福島 世界会議」への参加や第87回ピースボート地球一周の船旅に水先案内人として参加し、インドでの原発建設の問題点などを訴えてきています。

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